第9話

至愛 ~ 後編 ~
3,092
2017/11/20 05:06





あれから数ヶ月。


季節は冬から春に変わる頃で


私達の卒業も近づいてきた。


私はまだ先生が好きだ。


諦めきれない。


先生はあの日から態度を変えることなく


私に接してくれる。


私もいつも通りに接してるつもり。


だけど、やっぱり百合は鋭い。



百合
百合
ねぇ、、、、
やっぱり何かあったでしょ?
あなた

ん?

百合
百合
なんか、、、、
二人おかしい。
あなた

実は、、、、、
この前私ね、先生に好きって、言ったの、

百合
百合
それで、、?
あなた

振られちゃった、、、笑
まだ俺達は教師と生徒の関係だーって、

百合
百合
そーなんだ、、、
あなた

百合に話してないけど、私、
高校卒業したら結婚するの。

百合
百合
え?
あなた

政略結婚ってやつ笑
でも、正直諦めきれないから、卒業式の日
今度はちゃんと伝えようと思う。

百合
百合
そう、、なんだ、、、
応援する、!
あなた

うん、ありがとうっ!





そして月日は廻り


ついに卒業式当日になった。


百合は卒業式に参加するようで、


終わったら保健室集合、


ということになっている。


そこで告白しよう、終わらせよう。


そう私は思っている。


今日は卒業生代表の祝辞を


読まなければならない。


猛烈な眠気と緊張に襲われながらも


卒業証書授与を終え


全体合唱を終え


卒業生代表の祝辞も終え


あとは退場だけとなった。


このあとこの恋が終わる。


そう考えると


卒業式が終わらないでほしい、


そう思えてくる。







百合
百合
あなたー!こっちこっち!はやく!
あなた

うん、



ガラガラガラ




保健室のドアを開けると


今日の卒業式のためにか


いつもとは違うスーツに見を包んだ


先生がいた。


いつものダボダボした白衣じゃなくて


きっちりした服の先生にドキッとする。




あなた

せんせ、

ソクジン
ソクジン
卒業、おめでとう。
あなた

せんせ、あのね、
やっぱり私、、、先生が好きなの、、

ソクジン
ソクジン
あのな、、、、、、
俺には婚約者がいるんだ。
あなた

え、、?

ソクジン
ソクジン
多分、そろそろ結婚すると思う。
あなた

あっ、、、、そうなんだ、、、、
せんせ、お幸せにねっ、!

ソクジン
ソクジン
またすぐ会えr...



ガラガラガラ ピシャッ




婚約者、、、か、、、、


そんな話聞いたこともなかった。


先生の相手はどこの誰でどんな人なんだろう。


先生と釣り合うくらいの美人さんなのかな。


そんなこと言ってるけど、


卒業してしまったのだから


私も結婚しないといけない。


どうしよう。


私、諦めるって決めたのに。


全然気持ち捨てきれない。


こんな引き摺ってて忘れられるのかな。





家についても頭の中は先生でいっぱい。


もう何も考えられない。


後悔ばっかり。


あーあ、これで、私の恋は終わりか、


なんか、儚かったな。














それから数週間後。


一応婚約者の人と二人で


食事に行くことになっている。


これが初めての顔合わせ。


私はできる限りオトナの男の人に釣り合う


フェミニンな服装をしていった。





現在17:50を少し回った頃。


18:00に駅の時計台で待ち合わせ。


今、学生たちは春休み中で


駅はいつもより少し混んでる。


私は初めて合う相手に緊張しながら


携帯を触って待っていると


突然肩を叩かれた。

あなた

え、?

ソクジン
ソクジン
あなたさん、こんばんわ。
あなた

せんせ、?

ソクジン
ソクジン
" 先生 " じゃなくて、" ソクジンさん " 
でしょ、? 笑
あなた

え、??


突然のことに思考回路が停止した私に


せんせ、、、いや


ソクジンさんがすべて説明してくれた。


ソクジン
ソクジン
つまり、あなたの婚約者は俺。
あなた

え、?そ、そんな、、、

ソクジン
ソクジン
俺、卒業式の日に言ったよ〜?
すぐ会えるって。笑
あなた

そ、そんな、ずるい、!

ソクジン
ソクジン
ちゃんと聞かなかったのが悪い〜
まぁとりあえず、行こっか。
あなた

は、はい、!











こんな奇跡、信じられないけど、


好きな人と居られるって


本当に幸せなんだね。


こんな幸せで良いのかなってくらい


今幸せ。































'' 運命って本当にあるのかもね "


































fin....





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