ーーーーーーーーーーJimin saidーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
僕は何を間違えたのかな。
何処で、間違えたのかな。
もう、戻れないのかな。
僕はただ、ヌナを愛してただけなのに、
なんで、二人してこんなひどい仕打ちをするの、?
ジョングクが出ていくのを見計らって
ヌナに話しかけに行った。
僕の心の中はもうぐっちゃぐちゃで、
色々な感情が混ざりに混ざって、
表しようがない。
言葉にするなら、大好きな二人に裏切られたって、
そんな気持ち。
もう自分を抑えられなくて、
僕の欲求のままにヌナを押し倒した。
無理矢理口を近付け、絡ませる舌。
抵抗しようとするけど結局は受け入れてくれるヌナ。
丁度、隣にもジョングクが居るし、
ヌナは僕のものだって見せつけるには良い機会。
ジョングクの気持ちなんてどうでもいい。
ヌナがそばにいてくれればいい、
ヌナさえいてくれれば。
無理矢理、ヌナにやってしまった。
疲れ果てて寝てるヌナの口元は切れ、
手のひらには爪痕がくっきり。
薄っすらと涙の跡もある。
やっぱ....僕って最低だな。
好きな女の子一人幸せにしてあげられない。
無理矢理ヤッてでしか愛情表現ができないなんて
どんだけ僕は歪んでんだよ。
わかってる、わかってるけど辞められない。
ヌナが離れていくんじゃないかって思うと
苦しくて、辛くて、もうどうしょうもなくなる。
自分が自分じゃなくなって、コントロールできない。
その時の感情さえ自分のものでないような
気分になる。
もう、どうすればいいの、?
こんなことをずっと考えていても埒が明かないから
気持ちを落ち着かせるため、キッチンへ向かった。
もう時計は夜中の2時を回っている。
なのに、隣のジョングクの部屋から
何故か明かりが漏れている。
かすかにだが、声が聞こえた。
あぁ、そっか、そうだよな。
隣だもんな、声ダダ漏れだったよな。
悔しそうに、悲しそうに泣くジョングクから
目が離せなかった。
本当なら、ジョングクにしてしまった事や、
ヌナに犯してしまった罪を考えると、
僕は生きるにも、値しない程度の屑なのに
何故か僕の心は優越感と、罪悪感が入り混じる
複雑な気持ちだった。
この事件があってからは
ジョングクとヌナは会う回数が極端に減った。
ジョングクはろくに目も合わせようとはしない。
ヌナはあの日からずっと上の空。
そしてある日、ヌナから話を切り出された。
言わなくてもわかる。
どうせ、別れ話でしょ?
別れたいんでしょ?
もう、僕はいらないんでしょ?
勝手にあんなことしたんだもんね。
当然だよね。
そうやって自分を納得させようとするけど、
出来そうにもない。
だから、僕はジョングクを使って
家にヌナを呼んだんだ。最後に。
本当はこの日、ジョングクは居ないはずだったのに
居たせいで計画が狂っちゃった。
お菓子と飲み物を持って2階に上がると
何でか二人が抱き合ってた。
あ~あ、また裏切られた。
何回も何回も。
よくやってくれるよね。
我ながらすごいと思う。
頑張って感情を抑えられたと思う。
けど、ヌナがあまりにもおかしな事いうから、
流石に僕も怒っちゃった。
なんかもう、今でのものが全て溢れ出た。
こんなにもヌナのこと、好きで好きで
堪らなくて、仕方がないのに、
ヌナはそんなことなかった。
僕より、ジョングクを取ったんでしょ、?
愛おしくて、愛おしくて、
仕方ないのに、
僕はヌナから離れたくないのに
ヌナは僕から離れていっちゃうんだ。
ヌナはジョングクの所に行っちゃうんだ。
ヌナが居なくなるなら、、、、
他の男のものになるなら、、
僕の前から居なくなるなら、、
僕はもう生きてる意味、ないよね?
興奮しきった僕は
力いっぱいにヌナの首を絞めた。
あと少し、の所で腰に
鈍痛が走った。
ヌナじゃない、ジョングクだ。
振り返ると手にナイフを持って
僕を見下ろすジョングク。
そっか、僕は最後まで悪役か。
二人の仲を裂いた劣悪なサイコパス?
女の子に無理矢理迫った犯罪者?
自分でも笑えるくらい、酷い事をしてきたんだな。
これは罰なのか。報いを受けたのか。
僕はただヌナを愛してただけなのに。
最後くらい.....
僕は力尽きてヌナの上に倒れ込んだ。
NEXT 後編
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。