小児病棟へ戻ると、
パーティーの準備がされていて
俺が入るやいなやクラッカーの
破裂音が響いた。
慣れないからか少し照れくさくて
聞いた瞬間、走り出していた。
倒れた?なんで?
考えているうちに繋がった。
そうだ、昨日の腹痛だ。
今思えば、「お腹が少し痛む」
って予兆があったのに。
もし、病気だったら?
手遅れだったら?
彼女の言葉を鵜呑みにしてスルーしてしまった。
こんなの、彼氏も、医師も失格だ。
俺は急いで一般病棟に向かい
病室のドアを開けた。
近くにいた内科の先生に
ベッドの上で横になっていたあなたが
突然起き上がり、事情を説明し始めた。
今日、倒れたときに
腹部のエコー検査をしたところ
妊娠していることが分かったらしい。
事情を聞いて、少しホッとした。
病室から先生が出ていくと、
あなたがぽろぽろと泣き出した。
そう言って俺はポケットから
箱を取り出した。
そういうと彼女は顔を埋めるように
抱きついてきた。
外を見ると雪がしんしんと降っていた。
そうしてまた抱き合い、
ぎゅっと幸せを噛み締めあった。
Merry Christmas 🎄✨
fin....
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。