母「あなたそろそろ帰んで」
あなた「うん」
藤「じゃあな」
あなた「バイバイ」
ママに押してもらいながら部屋を出た
────家
ガチャッ
母「はいおかえり」
あなた「ありがとう
ただいま」
私の部屋は1階
部屋に入ってピアノのイスに座る
母「ここ置いとくな」
あなた「うん」
ドアの近くに車椅子が置いてある
あなた「うっ、うぅっ、(泣)」
涙が鍵盤を濡らした
そして10本の指を白鍵に叩きつけた
何度も何度も叩きつけた
部屋の中に不協和音が響く
あなた「あぁぁぁぁ!!(泣)」
叫び声も不協和音に重なる
あなた「ゲホッ、ゲホッ、(泣)」
しばらく経って声が枯れてしまった
涙で髪が頬に張り付いていた
あなた「死にたくない、」
ガチ、
あなた「え、?」
突然腕が重くなった
もう、
時間がないんだ、
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。