第12話

#12
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2017/11/15 13:46
Daiki
なんで君がここにいるの?
俺は、まだ涙目の彼女に優しく聞いた。
彼女は少し戸惑っていたけど、意を決したように僕を見て口を開いた。
あなた

今日私の誕生日でしょ?だから大ちゃんと過ごしたいなぁーって思ってて...。
そしたら大ちゃんの部屋にいたの。詳しいことは正直よくわかんないんだ。

Daiki
そっか。
あなた

外に出ようとしても、壁があるみたいに出られなかった。

彼女に嘘をついている様子はなかった。
Daiki
だったらさ。誕生日のやり直ししない?あの日の。
あなた

やり直し...?

あの日俺がしたかったこと。
結婚するっていう願いは叶わなくても、せめてプロポーズはしたい。
そんな思いからの、俺の提案だった。
あなた

やり直し...か

彼女は小さくそうつぶやいて、とびきりの笑顔で「もちろん!」と言った。
外に出られない彼女を置いて、俺はパーティ用の飾りを買いに行った。
家に帰ったら彼女が消えてるかもしれないと不安だったけど、ちゃんとお留守番して待っていてくれた。

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