第13話

#13
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2017/11/15 13:57
とりあえず、彼女を俺の部屋に待機させて、俺1人で飾り付けをした。
あの日と同じ光景に気分が上がる。
彼女を呼んでリビングに連れてくると、彼女は嬉しそうにはしゃいだ。
あなた

わぁ、すごい!

はしゃぐ彼女を落ち着かせて俺の前に立たせる。
俺の緊張を読み取ったのか、彼女も真剣な表情になった。
Daiki
初めて君に会った時から、運命の人は君しかいないと感じていました。...俺と、結婚してください!
ひざまずいた俺の手に握られているのは、あの日渡そうと思って渡せなかった婚約指輪。
捨てられずにずっとしまっていたのだ。
そっと彼女の顔を見ると、瞳から大粒の涙がこぼれていた。
Daiki
えっ?! 泣いて...
あなた

うれっ...しくて...っ。ありがと...っ

彼女の左の薬指に指輪をはめると、彼女はとてもうれしそうに笑っていた。
彼女の髪を耳にかけ、自分の唇にあてると、今までの寂しかった気持ちが一気に溢れだした。
2人とも涙を流しながら、互いを求め合う。
そのキスは今までのどのキスよりも激しく、切なかった。

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