「…うぅ…うん…」
隠しきれないなと思った。
でも、言ったらひかれる。でもでも隠せない。
だから、そう返事した…ん、だけど…。
「「おおお!!」」
二人からは何故か嬉しそうな声が上がった。
な「推しキャラがいればいいっていうあなたちゃんが…」
ま「ついに青春きたな!」
「へ!?」
な「おっとめ〜」
ま「うんうん…そっかぁ(にやにや)」
「なんで!?」どうしてそうなる!?
二人の声は、嬉しそうなものからからかうようなものにかわりはじめる。
な「どこが好きなの?」
ま「なんで好きになったの?」
「えっとー…」
そんなに質問攻めされても…。
困るなぁ。
な「告んないの?」
「告れるわけないじゃん!」
ま「えーっ。つまんない」
つまんないって…
そんな事言われてもね。
なんで好きになったとか、どこが好きだとか、はっきりは言えないんだ。
だって、いつの間にか好きになってたんだし、全部好きなんだもん。
それに、告るタイミングって自分で決めたいと思う。
ちゃんと自分の気持ちを伝えられるようにってさ。
私はそう思うんだけどなぁ…人によるから分かんないけどね!?
なんか1人でぐだくだ語って恥ずかしいな!ってことではい!おしまい!!
恥ずかしい一人語りおわり!
「あー、でも、」
ま、な「なになに?」
「何となくあの時かなってのはあるよ。好きだって思ったとき」
あれは5話のときのこと…
ま、な(5話ってなんだよ…)
『俺は男だからまだいいけど、お前は女なんだから傷あと残ったらどうすんだよ』
もーっ!
あれで射抜かれました。かっこよすぎて…
な「へー。あいつにそんな男らしいとこあるんだ」
ま「意外なんだけど」 …むかむか。
な「うちらのことは蹴るのにね!」
ま「え、でもさっきのことうちらにいってきたらキモくない?(笑)」
…むかむかむかむか
ああああああああああ!(なんか前もこんなことが…)
「あーっ、言うんじゃなかった!」
な「え…ちょ、ごめんって!」
ま「ほ、ほら。うちらはさ!いつも蹴られてるから…なんて言うんだろ、びっくりってゆーか!」
慌てていう二人。むー…
「……もう悪口言わないでね」
「「分かった!!」」
くっそー怒りが収まらん。
言いたい放題いいやがってこんにゃろー。
な「でも、そのくらい好きってことだよね」
え!?
ま「あー、そうだねぇ。あなたちゃん乙女っ💓」
なんか怪しい方向に…
な「ダーリンっ♡とかやってみてよ(笑)」
んんんん!?
ま「あ、王子様♡でもいいよ」
ちょっと待てなんだ!?
おかしいでしょそれ!!
な「ほらぁ。言ってみな!」
ま「はやくはやくー」
ぐううう…
な「言ってくれたらもう悪口言わないから!」
なに!?
ま「うん、もう絶対言わない」
「……それなら…」
「「お!?」」
私は息を吸って…
「あ…ちょっと待った方いいかもあなたちゃ…」
「お、王子様!」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。