萌々花に呼ばれた。
話の内容はだいたい想像がつく。
彼方君のことか、自慢話とか…
もう、うんざり。
はぁ…やっぱり私は
思わず自分の思ったことが口から出てしまった。
どんだけ悩んでるんだよ、あなた。
くよくよしながらも、屋上に行った。
放課後の屋上は冷える。寒い……
あー、もう!萌々花早く来てよ!
萌々花には知られたくなかったのに…
私は逃げた。
周りが見えないくらい早く走って。
萌々花なんて…萌々花なんてぇ!!!
気がつくと、自分の家の前だった。
インターホンのカメラを覗く。
萌々花の言っている事が本当なのかは
分からない。
でも…もしも本当なら…本当なら…っ!
私は家に入らず、
そのまま真っ直ぐ、真っ直ぐ歩いた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。