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第17話

恋の過去(出会い編)
妖歴−115万2007年。7月14日。
その日が、わたしの誕生日だという。
これは、わたしが誕生してから、生命界に行くまでの話だ…



玲衣(れい)
玲衣(れい)
ぅう…くぅっ!
看護師
頑張ってください!王妃様!
ここは、王宮の、この日だけに作られた、出産の間。
付き添いの医師十名と、看護師二十名ほどが、部屋の中を慌ただしく駆け回っていた。
それを固唾を呑んで見守る、王妃の親戚達の顔にも緊張の色が浮かんでいた。
部屋の外には、大勢の妖怪や魔術使い達が押しかけており、閉め切ったこの部屋の中からでも声が聞こえてきた。
今、まさに、この国の姫が生まれようとしているのだ。

そしてー
医師
…生まれたぞ!
医師の一言を前に、部屋は一層騒がしさを増した。
一斉に王妃と、生まれたばかりの王女に駆け寄る。
部屋の外からも雪崩の様に人が入り込んできた。
妖怪1
女の子か!
妖怪2
耳が生えている…
妖怪3
玲衣様!大丈夫ですか?
王女の感想を口々に述べる者。
王妃をいたわる者。
部屋の中に満ちていた緊張感は、今極度に薄れていた。
その時ー
バンッ!
部屋が一気に静まった。
先程使用人がしめたドアが、勢いよく開いたからだ。
それだけではない。
なぜなら、入ってきたものが…
妖魔界現国王の金龍…玲衣の夫だったからだ。
妖怪達
こ、国王様!
部屋にいたもの達は一斉に部屋の隅により、頭を下げる。しかし、国王はそんな者達に目もくれず、真っ先にベッドに横たわる王妃に駆け寄る。
金龍
金龍
おい玲衣!大丈夫か!?
玲衣(れい)
玲衣(れい)
…っ、あ…なた…ハァ…子ど……もは…ハァ…
まだ意識は朦朧としているようだが、それでも無事なら玲衣に安堵したのか、ほっと息を吐き出す金龍。
それから、医師に目を向けた。
金龍
金龍
我が子はどうだ?無事に産まれたか?
医師
はい国王様!美しい姫君ですよ
医師は、きれいなおくるみに包まれた二人の子を見せる。先ほどまでは泣き叫んでいたが、今は穏やかな表情で眠っていた。
金龍
金龍
そうか、そうか…よかった。我が子も、玲衣も無事で。
医師
どうです?国王様、抱きますか?
金龍
金龍
いや…私はいい。それより、玲衣に抱かせてやれ
医師
王妃様…ですか?
金龍
金龍
あぁ、それに、綺麗な我が子を、この蹄で傷つけてはならぬしな
と、国王は鋭い蹄を見せた。ちなみに、この部屋の天井が高いのは、龍である国王が入れるようにしたからである。
医師
はい、わかりました。では王妃様…と、おや…
王妃に、王女を抱かせようとしたところ…王妃は、スゥ…スゥ…と、静かな寝息をたてて寝ていた。
医師
…寝ておられますね、王妃様は
金龍
金龍
そうだな…疲れているのだろう。このまま寝かせておけ
医師
はっ!
と、医師が頭を下げるのを見て、部屋の全員に向き直った。そこには、先ほどまでのただの父親としての顔ではなく、王としての威厳に満ちた顔だった。
金龍
金龍
皆、よく我が子の出産に立ち会ってくれた!礼を言う。かたじけない。
妖怪達
ありがとうございます!
一斉に、部屋の者達は礼をした。
それを見届けた王は、部屋を後にした…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜現在〜
お姉ちゃん(柚)
…それから……って、恋?どうしたの?
お姉ちゃんの話を聞いて、わたしー恋ーは、少し気になるところがあった。
恋
いや、なんかさ…人間と妖怪も、出産する様子は同じなんだなって…
前に、本で読んだ人間の出産の仕方も、同じようなことだったような…
お姉ちゃん(柚)
まぁね。そこら辺は、人間と似てるわね…
うん…。妖怪って聞くと、気味が悪くて気持ち悪いように思えるけど、実際は人間と対して変わんないのかも…。
恋
それで、それからどうなったの?
お姉ちゃん(柚)
…それは…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜過去〜
…それから数十年後…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜現在〜
ああぁぁぁっっ!!
ほんっっっとうにすいません!
さっきまで現在で、やっと過去編に戻ったと思ったらいきなりまた現在ですから!
もー早く話進めろよ〜って思っているみなさま!
ほんっっっっっっっとうにすいませぇぇぇぇん!
…と、はい。
全身全霊の謝罪をしたところで…
本題に入りましょう。
恋
ち、ちょっと待ったお姉ちゃん!
お姉ちゃん(柚)
え?どうしたの?
恋
な、なんでいきなり数十年後なの!?もうわたし大人になってるじゃない!
お姉ちゃん(柚)
いーえ、ならないわよ
恋
なんで!?
いや意味わかんない!
お姉ちゃん(柚)
あのね、妖怪は人間より寿命が遥かに長いの。それに伴ってか、成長スピードが人間より遅い。だから、妖怪は何十年って年でも、見た目はまだ幼子にしか見えないのよ
恋
あ…あぁ
長文お疲れお姉ちゃん。
お姉ちゃん(柚)
で、話続けてもいい?
恋
あ、うん、ごめん、どうぞ…
お姉ちゃん(柚)
じゃあ気を取り直して…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜過去〜
数十年…
生まれた王女は文学に長け、冷静沈着な少女へと育っていった。
種族は母親の狐族の血を強く引いたが、父親である金竜族の血も少量だが引いており、狐族の中でも最も偉い「金狐」族となった。
名は金狐族の初代女性王の名である「恋」となった。
容姿も、頭脳も、魔術も、全てにおいて完璧な王女として、国の妖怪達からも人気が高かった。
また、どんな妖怪でも必ず持っている「能力」。
玲衣は「遠くの音まで聞こえる」
金竜は「味方の指揮をあげる」
恋の場合は、「10秒以内の未来なら読める」という能力を手に入れた。
両親との仲も良く、母親とは文学のことでよく一緒に話をした。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
お母様。お母様っ。
玲衣(れい)
玲衣(れい)
あら、恋、どうしたの?
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
聞きたいことがあるの。ほら、ここ。この妖精語、なんて訳すの?
 恋は、かなり分厚い本にある文を指さして聞く。
玲衣(れい)
玲衣(れい)
あら、これは…「入った」という意味ね。でも、なんでいきなり妖精語の本を読んでるの?
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
だって今度、植物の精の王族の皆様がこちらに来られるのでしょう?そのために、勉強しようと思ったの
玲衣(れい)
玲衣(れい)
まぁ…
普通、数十歳(人間なら四、五歳程度)の子供が妖精語を話すなど、かなり難しい。
玲衣は、目を細めて恋の頭を撫でた。
玲衣(れい)
玲衣(れい)
恋はいい子ね。さすが、私とあの人の子供だわ
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
も、もう!恥ずかしいからやめてお母様!
恋は赤い顔をしてぷいっと横を向く。
この歳で親離れか……と、玲衣は苦笑した。
父親である金龍とは、魔術の特訓をよくした。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
…お、お父様…私、疲れた…
王宮の中庭の一つで父と魔術の特訓をしていた恋がとうとう根を上げた。
体力には自身のある恋がこんな事を言うなんて珍しい事である。
金竜(人間姿)
金竜(人間姿)
ふぅ…そうだな、俺も疲れた。休憩しよう
黒髪の人間姿の金竜もどうやら少し疲れたらしい。
その様子を見守っていた玲衣がお茶を持って静かに歩みよった。
玲衣(れい)
玲衣(れい)
お疲れ様、二人とも。ほらお茶よ
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
わぁ!ありがとう!!
玲衣から渡されたお茶をがぶ飲みする恋。
玲衣(れい)
玲衣(れい)
全く…そんな風に飲んだらむせるわよ、恋
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
大丈夫よお母さ…ケホッケホッ!
玲衣(れい)
玲衣(れい)
ほら、言わんこっちゃない
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
ゲホッ…大丈夫よ、お母様。ねぇお父様、少し抜けていいかしら?
金竜(人間姿)
金竜(人間姿)
あぁ、いいぞ。少し休んできなさい
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
ありがとう、お父様
立ち上がって、王宮へと駆けていく恋。
その様子を眺めながら、玲衣は微笑んだ。
玲衣(れい)
玲衣(れい)
ほんと、活発な子になったわね。昔の誰かさんみたい
ちらりと、金竜を見る。
金竜(人間姿)
金竜(人間姿)
全く…それは昔の事だ。今はもう忘れた
実は、玲衣と金竜はかなり幼い時からの付き合いだ。
少なくとも小学校の頃からは一緒だった覚えが玲衣にはある。
その時の金竜は今の落ち着きようからは想像もつかない程やんちゃな妖怪だった。
大人達にいたずらしたり、王宮の物も壊しまくったり、勝手に同じ年頃の妖怪達を集めて「いたずら妖怪グループ」なるものを作ったり…
だが玲衣と恋に落ちてからは、金竜は落ち着いた、今の性格になったのだ。
玲衣(れい)
玲衣(れい)
でも私はよーく覚えていますよ。あの頃のあなたは…
金竜(人間姿)
金竜(人間姿)
…頼むからやめてくれ玲衣。俺の王としての威厳が失われる
玲衣(れい)
玲衣(れい)
はいはい、ごめんなさいね
金竜をからかった玲衣は、着物の振袖を口にあててクスリと微笑んだ。
こんな風に、騒がしくも静かな平和が続いていたある日、恋に新たな出会いがあった。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
ふんふんふ〜ん
鼻歌を歌いながら歩いているのは恋。
今日は大事な行事があると言う事で、父も母も王宮のみんなも忙しいので、一人で広い王宮を歩いていたのだ。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
…ん?
恋は後方に、人影を確認した。
不審人物ではない、と恋は思った。
何故なら人影は恋と同じくらいの背丈。つまり子供だ。
髪の毛は緑色の髪。
服も王族の纏うようなドレスである。
誰だろうか、と恋は思い、話しかけてみることにした。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
ねぇ、あなた
???
???
ひゃっ!!び、びっくりした…
振り返ったのは整った顔立ちの少女だ。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
あなた誰?この妖魔宮の人じゃないみたいだけど…
フロアラ
フロアラ
あ…私はフロアラ。今日お父様の付き添いで来ているの
じゃあ植物の精の子か、と恋は考えた。
今日の大きな行事とは、植物の精の王族が妖魔宮を訪れる日なのだ。
恋は行かないで良いのか、と言うと、恋はまだ人間で言ったら四、五歳程度の少女だ。
まだ社交界にデビューする歳ではない。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
じゃあもしかして植物の精の王の子?
フロアラ
フロアラ
うん、そうよ。ところであなたは?
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
私は恋。この妖魔宮に住んでるの
フロアラ
フロアラ
れ、恋っ!?
恋と言う名を聞いた瞬間、フロアラは一歩下がって膝をついて首を垂れた。
フロアラ
フロアラ
し、失礼致しました!王女だと知らず無礼な口を…何とお詫び申し上げたら良いか…
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
…?良いのよ、別に。知らなかったなら仕方ないんだし
フロアラはまだ頭を下げたままである。
よっぽど悪かったと思っているらしい。恋にとっては別にどうでもよいことなのだが。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
…なら、友達にならないかしら?
フロアラ
フロアラ
え…?
フロアラはやっと顔を上げた。
その顔には驚きと困惑が浮かんでいる。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
だから、友達になりましょう。私、同じ年頃の友達いないもの
恋は産まれてから、妖魔宮を出た事がない。
そのため、同じ年頃の子と触れ合う機会が少ないのだ。
勿論、友達もいなかった。
フロアラ
フロアラ
し、しかし…私の様な者に王女様のご友人など…
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
友達に身分も何も関係ないでしょう?
フロアラ
フロアラ
…本当によろしいのですか?恋様?
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
うん!勿論よ!あ、あと、あなたも友達にならないかしら?
恋はいきなり後ろを振り返った。
フロアラも驚いて後ろを見る。
すると、後ろの装飾物から微かに見えている人影がビクッと動いた。
フロアラ
フロアラ
え…誰かいるのですか?
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
えぇ、ずっと前から
しばらく人影はモジモジしていたが、やがて意を消したように出て来た。
白い髪の毛に赤い目の少女だ。
恋は見覚えがあった。
確か、大臣の娘の…スルータと言ったはずだ。
滅多に生まれない天使族の少女という事で、恋は覚えていた。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
えっと…スルータさんかしら?
スルータ
スルータ
…!?どうして私の名前を…
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
覚えていたの。私達に何か用かしら?
スルータ
スルータ
その…あの…
スルータはずっとモジモジしていたが、顔を上げて言った。
スルータ
スルータ
と、友達になってくだひゃい!…あ
噛んでしまった。
恥ずかしさでスルータが真っ赤になる。
スルータ
スルータ
ごめんなさい!その…差し出がましい真似を…噛んじゃったし…
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
…ふふっ。あなた面白いわね!
フロアラ
フロアラ
…ふふふっ
フロアラ笑った。
二人の姫の微笑む姿がキラキラしていて、スルータはとりあえず怒らせていないとホッとする。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
いいよ!友達になりましょう
スルータ
スルータ
…え?
フロアラ
フロアラ
私もなりたいわ…よろしく、スルータさん
スルータ
スルータ
…!!はい!
明るい顔でスルータは笑った。
その後、三人はよく妖魔宮で遊ぶようになった。
中庭で鬼ごっこをしたり、妖魔宮全体で壮大なかくれんぼをしたり、恋の母や父と一緒に魔術の特訓をしたり…。
フロアラの住んでいる植物の精の屋敷から、妖魔宮からはかなり離れているのだが、毎日のように遊びに来た。
そのうち敬語も取れ、お互いを呼び捨てで呼ぶようになって来た。
『親友』というに親しい関係になってきたある日、恋とスルータはある事を提案した。
フロアラ
フロアラ
え?私の屋敷に遊びに来る?
広い恋の部屋のふかふかのソファに腰掛けて、最近流行りらしいカードゲームをしていた時、急に恋が切り出した話にフロアラは驚いた。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
うん!妖魔宮ばっかだと暇でしょう?だからたまにはフロアラの家に行きたいの
フロアラ
フロアラ
だけど、私の屋敷、妖魔宮に比べたら小さいわよ?
スルータ
スルータ
だけど行ってみたいよね?フロアラちゃんの家
恋はうなずいた。
そういえば、フロアラの家には一度も行ったことはなかったのだ。
というか、恋とスルータは妖魔宮を出たことがない。
恋はともかく、スルータはいつでも妖魔宮を出ることは出来るがあまり出たくないのだ。
友達の家に遊びに行くとしたら別だが。

恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
とにかく行きたいの!ねぇいいでしょう?
冷静な恋が体を乗り出す事などあまりない。
よっぽど感情が高ぶっている時だ。
フロアラ
フロアラ
うーん…お父様に掛け合ってみるわ
スルータ
スルータ
えっ、いいの?
フロアラ
フロアラ
まだいいか判らないけどね。あまり期待はしない方がいいわ
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
それでもいいわ!ほんとにありがとね!フロアラ!
恋は満面の笑みで行った。
フロアラの家に行くのが楽しみで仕方なかった。
その後、電話でフロアラからいいと言う返事が来て、恋達は飛び上がって喜んだ。
しかし、まだ難関があった。どうやって妖魔宮を出れば良いのか、と言う事だ。
玲衣(れい)
玲衣(れい)
え?フロアラちゃんの家に?
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
うん!行きたいの
金竜(人間姿)
金竜(人間姿)
まぁ行けなくもないが…そうしたらあの式典の意味がなくなる…
玲衣(れい)
玲衣(れい)
…でもいいんじゃないかしら?
金竜(人間姿)
金竜(人間姿)
…まぁ、少しの気晴らしにはいいな
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
本当に!?いいの!?
玲衣(れい)
玲衣(れい)
えぇ。ただ、あまり色々な場所にはいかないようにね
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
うん!
こうして、両親の許可を貰い、恋達はフロアラの家に行くことになった。
そして当日、恋達を迎えたのは、和風な馬車だった。
生命界と違うのは、馬車の馬がペガサスだと言う事だ。
御者台に座っているのは植物の精で、背中に薄い羽が生えている。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
またね、お母様。お父様。
スルータ
スルータ
その…ありがとうございます、国王様、王妃様。
金竜(人間姿)
金竜(人間姿)
あぁ、気をつけるんだぞ
玲衣(れい)
玲衣(れい)
行ってらっしゃい、恋、スルータちゃん
御者
それでは、出発致します
馬車が出発し、ペガサスが飛んだ。そして、妖魔宮の正門を出る。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
わぁっ…
恋は、眼科に広がる初めて見る妖魔界の首都、妖魔卿に目を奪われた。
写真などではよく見ていたが、実物を見るのは初めてだ。
恋は上を見た。
妖魔宮はシャボン玉の様な物に包まれ、浮かんでいる。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
妖魔宮は浮いているって聞いたけど…ほんとだったのね
御者
王女様、危ないので馬車の中にお戻り下さい…館にはあと数十分で着きます
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
あ…ええ。わかったわ。
恋は身を乗り出していたが、馬車に座り直した。
スルータ
スルータ
妖魔卿…すごいね!
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
ええ…フロアラの家も楽しみだわ…
スルータ
スルータ
うん!
馬車の中で、二人はいつものように会話しながら、フロアラの家に着くのを待った。
話のほとんどはフロアラの家の事だった。
馬車に揺られること、数十分後__
ガチャ
扉が開いた。
御者
着きました。王女様。スルータ様。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
…!!着いたのね!ありがとう!
スルータ
スルータ
…その…ありがとうございます…
二人は御者にお礼を言って、馬車を降りた。
目の前には恋の身長の十倍はある門がそびえ立っていた。
奥に植物の精の館があるのだろう。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
…えっと…どうしたらいいのかしら…?
スルータ
スルータ
わ、私に聞かれても分かんないよぉ…
あまりの門の大きさに、恋達はただ立ち尽くしていたその時…
門が音を立てて開いた。
フロアラ
フロアラ
恋っ!スルータっ!
出てきたのはフロアラだった。
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
フロアラ!
スルータ
スルータ
フロアラちゃん!
フロアラ
フロアラ
ようこそ、私の家へ!さ、入りましょう!
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
ええ!
スルータ
スルータ
うん!
植物の精の館は、妖魔宮に比べたら確かに小さい。
ただ、恋達にはそんなことは関係なかった。
始めてきた妖魔宮以外の場所に、恋達は心が踊っていた。
フロアラに色々な場所を案内してもらった。
フロアラ
フロアラ
此処はね、私の屋敷の図書室なの!
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
うわぁ…いっぱい本が…
植物の精の館の図書館は、妖魔宮より本があると聞いたのだが本当みたいだ。
妖魔宮の図書室より倍ほど広い。
恋達が見て回ろうとした、その時だった。
???
あ、フロアラ様。ご友人ですか?
後ろから、少年の声が聞こえた。
恋達が振り返ると、そこには黒髪に青い目の、恋達より少し年上の少年がいた。
フロアラ
フロアラ
あら、ティーグル。今日は休暇じゃなかった?
ティーグル、と呼ばれた少年は微笑した。
ティーグル
ティーグル
まさか。フロアラ様の護衛たるもの、休暇などございませんよ
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
えっと…フロアラ、この人は…?
フロアラ
フロアラ
あぁ、紹介してなかったわね。彼はティーグル。私の護衛よ
紹介するフロアラは少し誇らしげだ。
ティーグル
ティーグル
ティーグルです。よろしくお願い致します。貴女方は?
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
私は恋よ
スルータ
スルータ
わ、私は…す、スルータと言います…
ティーグル
ティーグル
なっ…れ、恋!?スルータ!?
ティーグルは目を見開いたと思うと、ものすごい勢いで地面に膝をついた。
ティーグル
ティーグル
す、すいませんでした!まさか王女様と大臣令嬢様だとは気づかずに…てっきりただの凡人かと…
フロアラ
フロアラ
そっちの方が失礼よティーグル
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
ふふっ、いいのよフロアラ。それより、フロアラの護衛なら、一緒に回らないかしら?
ティーグル
ティーグル
…は?
ぽかんとした顔で、ティーグルは顔を上げる。
ティーグル
ティーグル
な、なんとおっしゃいまして…?
恋(幼少期の姿1)
恋(幼少期の姿1)
だから、一緒に館を回らないかって…ダメかしら?
スルータ
スルータ
私も…一緒に回りたい…
フロアラ
フロアラ
…そうね。ティーグル、一緒に行きましょう
ティーグル
ティーグル
えっ、ですが…
フロアラ
フロアラ
主人命令
フロアラのその言葉に押され、結局ティーグルも一緒に行く事になった。
こうして、恋達仲良し三人組に、新たにティーグルが加わった。
身分的にはティーグルは恋達に比べればかなり低いが、そういうのを気にしない恋達とはすぐに打ち解け、タメで名を呼び捨てで呼ぶのにそう時間はかからなかった。
こうして、恋達は騒がしくも平和な、楽しい時間をおくっていた。
ただ、この時からすでに平穏の崩壊の足跡は忍び寄っていたのだ。
------------------✁︎キリトリ線✁︎-----------------
トコトコ
トコトコ
はい!サボり魔作者ことトコトコです!
恋
サボり魔
千江
千江
サボり魔
草菜
草菜
サボり魔
トコトコ
トコトコ
え、ちょっと酷いよ!なんでみんなして!?
恋
だって実際そうだもん
草菜
草菜
というか自分で言ったわよね?
トコトコ
トコトコ
あーもうはいはいわかりました!私はサボリ魔です!はい、なんか意義のある人!?いないよね!?
恋
はい
草菜
草菜
はい
千江
千江
はい
トコトコ
トコトコ
全員かい!!
恋
あ、やっぱ特にないや
草菜
草菜
私も
千江
千江
実は私も…ノリで挙げただけだから…
トコトコ
トコトコ
ノリ!?君ってそういうキャラだっけ!?
草菜
草菜
それよりさっさと本題入りなさい!
トコトコ
トコトコ
あ…はい
トコトコ
トコトコ
長らく更新お待たせしてすいませんでした!コメントでも言われて反省してます!更新スピードあげます!
恋
まぁ、こんな駄作者だけど応援してね!
草菜
草菜
これからも…
千江
千江
よろしくお願いします!

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トコトコ
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こんにちは!! マイページにお越しいただきありがとうございます! トコトコです( ̄^ ̄)ゞ 中二のファンタジーが好きなトコトコです(`_´)ゞ 文章がおかしいところがありますが、そこは笑って見守ってくださいm(_ _)m ー投稿作品ー 『妖怪王女シリーズ』 『魔法少女まどか☆マギカ』 ちなみに魔法少女まどか☆マギカは、私の大好きなアニメです! あと、アニメ本編と全然ちがう物語です ー投稿予定作品ー 『魔法使いと学校生活』 『異世界デスゲーム』 こちらもシリーズにしようと思っています(๑>◡<๑) 最後に… いいねやお気に入りをしてくれた皆さん、本当にありがとうございます! これからもよろしくお願いします\(^o^)/ 最近低浮上気味ですがちゃんと書いているので応援お願いしますm(._.*)m
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