第8話

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2017/11/10 12:42



「で、良かったの?見ず知らずの男についてきちゃって」


運転席に座った彼は、そう言って優しく微笑む。

こんなこと、普段なら絶対にしない。
今の精神状態だからこそ、車に乗り込んでしまったのだ。


「…うん」

「俺、悪い人かもしれないよ?」

「…いいよ。別に」


もう、どうなってもいい。

大切な人を失った私には、そんな考えしかなかった。




「ねぇ、お願い」




“慰めてよ”





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