第18話

#6 温もり
5,721
2017/11/14 08:40



あの後すぐに、私は達してしまった。

人差し指を濡れそぼった中に穿たれ、親指で敏感になった蕾を弾かれると 堪らなかった。

頭が真っ白になるほどの快感。

初めての絶頂は、癖になりそうなほど気持ちの良いものだった。



余韻に浸りながら ぼうっと天井を眺めていると、一度部屋を出ていった男が水を持って戻ってくる。
「はい。…大丈夫?」


渡されたペットボトルを受け取り、小さく頷く


よく冷えた水は、火照った体を冷ますのにはちょうど良かった。


「侑介は…いいの?」


張り詰めたズボンが余裕のなさを物語っている。

それでも 彼は続きをしようとはしない。


「…まぁ、さすがに教師が高校生に手出せないでしょ」

「教師…?」
彼の口から出てきた言葉に、耳を疑う。


「言ってなかったっけ?俺ね、一応これでも高校教諭なの」

「…うそ」


聞けば侑介は私の通う学校の近隣にある私立高校の教師だと言う。

海で見かけた時から、私がどこの高校生なのかは分かっていたようだ。


“慰めてよ”なんて言ってしまったことが、今になって悔やまれた。

相手が先生であることも知らずに、とんだ痴態を晒してしまったような気がする。


「でも、このことは誰にも言わないよ」

俯いた私の頭を撫でながら、男はそう言った。
「…本当?」

「当たり前だろ。それに俺も、共犯みたいなもんだし」


言いふらされでもしたらどうしようかと思ったが、それは余計な心配だったらしい。

安堵した私は頬を緩ませ、「良かった」と呟く。


不思議なことに 彼と過ごしている時だけは、廉のことを忘れられていた。

暗い海を前に、あれほど涙を流していたというのに。


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