第22話

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2017/11/14 13:18


「三年四組の副担任を受け持つことになりました。西條 侑介です」


彼の登場に教室がざわつく。

きっちりとしたスーツを着た彼は、金曜日に会う彼とは別人のように思えた。


「この人だよ!さっき言ってたイケメンの…」


興奮した様子の理沙はパッとこちらを振り向き、そんなことを言ってくる。

周囲の声々に掻き消され、当の本人には聞こえていないだろう。

しかし、正直 反応に困った。


「…あなた?」

「あ…そう、だね…」


心臓が、やけにうるさい。


「どうかした?」

「いや…何にも」


ちらりと教壇に目をやると、ちょうど彼と目が合った。


「…よろしくお願いします」


何度も見たことのある意地悪な笑みを浮かべた男は、どこか意味ありげにそう言った。





誰にも言えない秘密。

時に甘く、時に苦いこの関係。



私と先生。

二人だけの秘蜜は まだ始まったばかり___。






【秘蜜】


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