第2話

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2017/11/12 10:49
「きりーつ、気を付け、礼」


いつもの挨拶を終えると、先生は1度咳き込んでから話し始める。


「えー、じゃあ前回の復習からな」ニコ


あ、


笑った。


口角をニカっと上げて、白い歯を輝かせながら笑う。


その笑顔が、出会った時から大好きだ。


「前回やったのはここなんだけど、どういうことか覚えてる?」


浅野先生はサッカー部の先生で、授業中にもいつもサッカー部の生徒に質問を投げかける。


サッカー部であり隣の席の青葉は、「当てられるの嫌だ」って言ってたけど、私からしたらうらやましい。


「青葉、言ってみろ?」


「え、えーっと…」


いつもの光景だ。


私は黙って、まだ何も書かれていない黒板をじっと見つめる。


コソッ「あなた、前回どこやったっけ?」


私にこっそりと聞いてくる。


まあ、クラス中の視線は青葉に向けられてるわけで。こっそりと聞いてもバレバレなんだけど。


「ここだよ、ここ」


私はノートを開いて、前回習った所を指差す。


青葉は「さんきゅ」と口パクで合図し、先生に向かって「○○です」と答えた。


「正解。だけど青葉、あなたに教えてもらう前に自分で考えなよー(笑)」


さらっと自分の名前を呼ばれ、どきっとする。


その声で名前呼ぶなんて、反則です。


それからあっという間に時間が過ぎていき、授業終了のチャイムがなった。


「起立、気をつけー、礼」


今日も私は、進展がないままだった。

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