第3話

3
150
2017/11/12 10:49
「あなたーっ!帰ろっ?」


「わっ、優希!びっくりしたあ~」


家が近くて、親友の優希。


「で、今日は好きな人と話せたの?」


「えっと、今日もだめでした……」


「もう、あなた、もっとがんばらないとだめだ!
もう中3だよ?他の子に取られるよー(笑)」


「大丈夫だよ、絶対取られないから」


「?、なんで?」


「あー、言えない、かな(笑)」


「なんで(笑)」


言えないよ。


先生が、好きだってこと。


「あ、あなたーっ」


何度も聞いている声で名前を呼ばれた。


振り返ると、そこには。


「浅野先生っ?」


「よかった、探してたんだ」


「な、何か用ですかっ?」


「明日の放課、修学旅行の実行委員で集まるから、把握よろしくな」


「あ、はい!」


ラッキー。


私達のクラスでは誰も実行委員に立候補しなくて、仕方なく私がなったけど、担当の先生が浅野先生なんて。


「そんだけ。気をつけて帰れよー!」


「はーい、さようなら」


ぺこりとお辞儀をして、再び前を向く。


その時優希に言われたのが、この言葉。


「ふふ、あなたの好きな人、わかったかも(笑)」


「え、ええ!?」


思わず大きな声を出す。


「コソッ浅野先生でしょー(笑)」


ドキッとして、顔が熱くなるのがわかる。


「ななな、なんでっ??」


「さっき先生と話してる時の様子みると、わかるよ(笑)」


「う〜~!」


「だってかっこいいもんね!
サッカー部の先生で、黒髪の短髪、黒縁のメガネがすっごい似合ってるし!」


「うんうん!!
25歳っていう若さで、仕事に一生懸命で!
贔屓とかしないし、わからないところあったら授業後でもじっくり教えてくれて!
めっちゃ優しいのに、彼女いないなんて……!」


「おお、すごい勢い(笑)」


優希に言われてはっとする。


「うっ、恥ずい……/////」


「誰にも言わないから、安心しなって!」


「優希……、ありがとう!」

プリ小説オーディオドラマ