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第5話

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2018/01/04 17:07
「あなた!」


滞ることのない綺麗な声。


その声の主は。


「…、浅野先生…?」


「あなたっ!やっと起きた〜っ」


目が覚めると、保健室に居た。


側には、浅野先生の姿。


「あなた、学習室の前で倒れててさ!めっちゃ焦ったんだぞ〜」


「あ…、ごめんなさ、げほっ!」


「あなた体調悪いっ?」


「はい、少しだけ…」


「そっか、あんま無理するなよー」


「はい」


「今日の分は他のみんなでやったから、明日からはまたあなたもやろうな!」


「はい」


どうしよう。


先生の顔がまともに見れない。


浅野先生は私のことを、生徒として真っ直ぐに見てくれているのに。


私は浅野先生のことを、異性として見てしまっている。


最低だって、わかってる。


けど。


あなたがだんだん好きにさせるから___。

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