第6話

45
2017/11/14 10:39
あなた

は、誰だし

私のことをジーッと見つめるそいつ。
木瀬君
お前、ウケる
私は下を向いていた顔を上げ、
’’そいつ’’の顔を認識する。
意外にイケメンな’’そいつ’’は、
なんだか、
見たことのある顔つきだった。
雪乃
陽太じゃんw
私の後ろにいた雪乃が声を上げる。
これが人気者の木瀬陽太?
あなた

まじ?

雪乃
まじまじ
整った顔と、
軽い色の髪型印象的な木瀬君。
なんだか見たことのあるような顔は、雪乃がいつも話していたから
ただ単にイメージとして
頭の中にあったからだろう。
木瀬君
俺のこと無視すんなよ
なんだか寂しそうに私を眺める木瀬君は私の手を掴む力を緩めた。
出来た隙間からゆっくり手を引く。
掴まれた手首は少し赤くなっていて、木瀬君はどれだけ強く掴んだんだろうと不思議に思う。
あ、でも。
木瀬君のお陰でさっきの恥ずかしい雰囲気なくなったかも。
少しだけ、いや
結構感謝。
ありがとう、木瀬君。

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