昼休みになり、俺は菜奈のクラスに向かった。
菜奈は特進コース。俺はスポーツコース。
だからクラスは違うんだけど、
昼休みには必ず俺から菜奈に話しかけにいく。
いつもなら友達と弁当を食べている菜奈。
なのに今日は食べていなかった。
こんなストレートに言っても伝わらない俺の想い。
付き合っているのに、
まるでただの友達みたいだ。
もう少しで付き合って2年にもなるというのに
ちっとも変わらない俺たちの関係。
普通のカップルならキスしたり…
それ以上の関係になっているだろう。
けど俺たちにはそんなことはない。
キスなんてしたことがない。
もちろんそれ以上のことも。
俺はしたいんだけど、多分、
菜奈を怖がらせてしまうから…
菜奈を傷つけることが怖い俺は菜奈に手を出すことなんてできないんだ……
今までの彼女には簡単にできていたのにね。
菜奈に出会ってから俺は随分変わったと思う。
だいぶ真面目になったし、女遊びなんてしなくなった。
これが本気の恋…。
そう菜奈が教えてくれたんだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。