今日も結局やる気が出ず、半日くらい寝て、
また菜奈と帰ることにした。
内申とか周りは考えてたりするかもしれないけど、
俺にはそんなんどうだっていい。
多分、授業出席なくても提出物とかで点数取れるだろうし、部活やってるわけだし。
まずそういう心配は俺にはない。
珍しいな。菜奈は友達が多いわけでもなく、
菜奈からはあまり友達と遊ぶ約束をした、とかいう話を今まで聞いたことがなかった。
別におかしなことじゃないんだけど
妙に不信に思えてくる。
まぁ遊びの約束をするような友達が菜奈にもできたのかな。
俺は渋々友達のTOPと帰った。
学校でよく聞かれる話だ。しかも男子に。
やけに気に入らない。
いくらあまり妬かない俺でもこういうの多いと妬いてしまう。
やっぱり菜奈はモテるから心配になってしまうっていうのが俺の本心だったりする。
そんな変な長い間を置かれてしまうと何かあったのかと思う
TOPにいじられて少し恥ずかしくなり、徐々に体が熱くなっていくのがわかる。多分今、俺の顔真っ赤だ。
慣れないな。
菜奈のことでいじられるのは。
こんなんで俺をいじってくるのはTOPくらいしかいないけど。
そんな他愛もない話をして家までの道、TOPの隣を歩いていた
"先に帰ってて?"ふと、どこか不安げな菜奈の声色が俺の頭を横切った……
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!