第10話

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411
2017/12/16 13:26
目を覚ますとジヨンがいた。
心配そうな顔。

ここはどこだろう…。
周りを見渡すと見慣れた天井が見えた。
ホッ。私の部屋だ。
良かった。あそこじゃなくって。

そっか…私家の前で倒れちゃったのか…
ジヨン
目覚めた?大丈夫?
菜奈
ん、…平気
無理やり笑顔を作ってみせる。
本当は多分大丈夫じゃない…
自分の体は自分が一番よくわかってるから。
ジヨン
あのさ
菜奈
ん?
ジヨン
もう、やっぱさっきのこと気にしなくていいから
菜奈
えっ…?
ジヨン
やっぱ嫌だよね。
好きでもない奴に、
しかも元カレと仲良くするなんて…
できないよね。
気づかなかった。
菜奈にも他に好きな人できるよね。
菜奈の気持ち考えずに俺…
本当にごめん。
ジヨンは苦笑いして言った。
でも、凄く悲しそうな顔…。
違う。違うんだよ…。


でも、
本当のことをジヨンに言うことができない…。
私は結局、何も言えず
ただただ涙を流しながら
『ごめんね』ってつぶやいた。
嘘の誤りを声にする度、
喉の奥は焼きつきそうだった…
菜奈
ごめんね…
今日は1日中ジヨンに謝っていた気がする。
風邪は治ることなく長引いた。
私は治ることを信じて薬を飲んだ。

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