これからの事を話し合った結果、
TOPは「やっぱり協力したい」と言ってくれて…
そのTOPの優しさに、私は甘えることにした。
ジヨンがいない生活にも慣れてきた頃。
今日は病院に行かなければいけない日。
憂鬱でしかない。
学校からの帰り道、
ふと、体育館の入り口にいるたくさんの女の子たちに目をやる。
少しだけ覗いて行こうかな。と思い、
近づいてみると…
…ジヨン…凄いなぁ…。
ジヨンは昔から、人を注目させるのが上手い。
小学生の頃からだ。
私なんかいつも困ってる時、
ジヨンに助けてもらってたもんね…。
ジヨンはどんな時でも、
私のスーパーマンだったんだ。
私だけのジヨンだってずっと思ってた。
でも、1人だけ私と同じくらいジヨンと仲良しだった女の子いたなぁ。
そこ子、途中で引っ越しちゃって…。
その時、
ジヨン、ショックで隠れて泣いてたんだよね…。
私、子供ながらにやきもち妬いちゃって…。
呼ばれた方を見ると、
たった今考えていた女の子が立っていた。
加奈ちゃんは、身長が高くて、細身で。
筋肉も程よくついていて…
ショートカットがよく似合ってて…。
凄く、キレイな顔してる。
私とは正反対だなぁ。
と、見ているといきなり、
と、加奈ちゃんが叫んだり
周りの女の子の視線は一気にこっちに集まった。
ええぇー!!!
ジヨンがこっちに向かって走ってきた。
と、ジヨンは加奈ちゃんに向かってニコッと笑った。この笑顔は…この前まで私だけに向けられていた笑顔だったのに…。
なんだか嫉妬してしまう。
その言葉に、ジヨンも私も固まった。
ジヨンは一瞬だけ私を見ると、
すぐ加奈ちゃんの方を向いた。
そして、微笑みながら
ジヨンがそう言うと、
加奈ちゃんの表情が変わった。
ジヨンを呼ぶ声が遠くから聞こえた。
そう言ってジヨンは走り去っていってしまった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。