第3話

そんなものはどうでもいい(2)
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2017/11/09 14:49




雰囲気から察するに"そういうこと"だろう


「いいも何も、どう見ても初対面だ。いくら彼女でも全く知らないやつにホイホイとOKしたりはしないよ……多分」


ばつが悪く視線を逸らす俺に向けられる、哀れむ顔が腹立たしい


いつだってライバルは突然現れて、何年経っても振り向かなかった彼女の心を簡単に奪っていく


敗けは初めから決まってる



「いっそのこと元カレ達にでもレクチャーしてもらえば?姫を振り向かせる方法」



「確実に振り向いてくれるならとっくにやってる」


冗談めかしてそう言えば呆れたように乾いた笑いが返ってくる


「まじかよお前……プライドねーの?」



榊原の言葉を無視して買ってきてもらった購買のパンを頬張る


再び窓に目を向けると話終わった彼女が踵を返し、


視線がぶつかった


「こっちに気づいたっぽいな」


俺の言葉を榊原が代弁する


彼女は俺を見るとベーっと舌を出す仕草をして、そのあとすぐに悪戯っぽい笑顔で笑った



「なんつっーかさ、どこがいいの?」


「知らなくていい」



榊原の問いかけに、きっとニヤけているであろう口元を隠しながら答える


あぁ、

敗けは初めから決まってる


それでも

プライドなんてそんなもん


どうでもよくなるくらいには────……









彼女が好きだ









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