第8話

思い知れ(1)
118
2017/11/11 16:24




火がついたように泣きじゃくる彼女の手を引いて帰路を歩く


思い出すのは、幼い頃の君との記憶


あの時、引かれていた手は今は君の手を引いている


なにも変わらない、変わってない



「っ……ひっ、く……」



いや、ほんの少し


少しだけ変わったのは




「……きら、いっ、こんな自分っ、大嫌い」




君を見下ろせるくらいには、随分と高くなった背丈くらいで。



一度立ち止まり、彼女の正面へと向き直る



グシャグシャになった顔を見せまいと俯く君の手を一層強く握った




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