プリ小説

第8話

過去の夢
私が目を覚ましたのは、見たことないベッドの上。

天蓋付きベッドで寝たのは初めてだな。
なんて、呑気なことを考えていると、横から寝息が聞こえてきた。

「マシロ?」

私が上体を起こすと、マシロの肩がピクリと揺れた。

「あなた…よかった、目が覚めたんだね」

「うん…」

どちらかというと、目は覚めていない。
そんなことを言えばただの変人。ここは黙っておくことにした。

「どうしたの?さっき、急に走り出したけど…」

「ああ…えっと、猫がいて…」

そうだ、猫だ。
あの猫は、どこかで見たことがある。

「…マシロ」

「ん?」

私は、マシロを見つめた。

「私と…どこかで、会ったことある?」

私の言葉に、マシロは動きを止めた。

「昔でも、最近でも…思い出せないだけで、会ったことがあるかもしれない」

言葉を重ねるように聞くと、マシロは小さく頷いた。

「あるかも、しれないね」

そう言うと、マシロは窓の外を見た。
そして、また私に視線を戻すと、にこりと微笑んだ。

「こういうの、運命って言うのかな?」

「………」

そう言ったマシロの笑顔がすごく悲しく思え、私はマシロを抱きしめた。

「あなた?」

驚いたように私の名前を呼ぶマシロを、私はただ抱きしめていることしかできなかった。

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テロル
テロル
最近朝布団が自分を離してくれません。 そう言ったら友達に毎朝モーニングコールをされるようになりました。 彼氏の浮気を許さない彼女でしょうか…?
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