第7話

テヒョンの親友(仮)
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2018/01/14 14:23
あなた

よろしくお願いします!

(もうどうにでもなれ)


私は半ばやけくそになって、ジョングクさんにバッと手を差し出した。


たぶん、今の私の表情はなかなかに酷いものだと思う。


怒ってるように見えるかな。


ジョングクさんにはどう映るだろうか。
キム・テヒョン
キム・テヒョン
なんでそんな固いの〜ㅋㅋㅋ
テヒョンはいまだに笑ってる。


目尻に涙まで浮かべて。
あなた

テヒョンは黙っててよ!

恥ずかしさで、泣きたいのはこっちだってんだい。


私はテヒョンをじろりと睨みつける。


私の差し出した手は、まだそのまま。
チョン・ジョングク
チョン・ジョングク
はははㅋㅋㅋ
声のするほうを見ると、ジョングクさんが笑っていた。


整った顔をくしゃりとさせて。


意外だった。


あんまりそんな風に笑ったりしない人かと思ってたから。
キム・テヒョン
キム・テヒョン
笑ってる…
テヒョンが意外そうに呟いた。


そう思ったのは私だけじゃなかったみたい。


テヒョンまでもそう思うって、ジョングクさんどれだけ笑わない人なの。
チョン・ジョングク
チョン・ジョングク
俺だって笑うから
そんな私たちの心の声が聞こえたのか、(たぶん顔にでてたんだと思う)ジョングクさんが言った。


少し拗ねたような表情だった。


そして、まだ差し出されたままの私の手にそっと目を向けた。


時間で言うと、たぶん2分間くらいはあったと思う。


(なんでそんなに見てるんだろう)


ジョングクさんが、私の手を見つめながらそっと口を開く。
チョン・ジョングク
チョン・ジョングク
こちらこそ、
油断すると聞き逃してしまいそうなほど小さな声。


そのせいか、その言葉の意味を噛み砕くのに時間がかかる。


(こちらこそ?)


な、なんの話だろう。


私が密かにプチパニックを起こしているその時、ジョングクさんが私の手に自らの手をそっと重ねてきた。


(っ!?!?)
チョン・ジョングク
チョン・ジョングク
よろしくお願いします
今度は、はっきりと聞こえた。


それでも、ジョングクさんがなんの事を言っているのかわからない。


だけど、なにか言わなくちゃいけない。


ど、どうしよう。そんな気持ちのなか、
あなた

あっ、ああ、はい!?

勢いで答えてしまった後、ああこれは握手なんだ、と頭の片隅で考えた。


そして私は再び恥ずかしくなる。


ジョングクさんが目線をあげる。


(…っ)


思い切りジョングクさんをガン見していたせいで、バッチリ目が合ってしまった。


それがなんだかとっても恥ずかしくて慌てて目線を逸らすと、口をあんぐりと開けたままのテヒョンが視界に入った。
キム・テヒョン
キム・テヒョン
ジョングクが握手してる…
またしても、そんなことで驚くテヒョン。


いやいや、あなた親友ですよね?


そう言いたい気持ちをぐっと堪える。


もう一度ジョングクさんの方に目を向けてみると、彼は少し恥ずかしそうに見えた。


ジョングクさんは、決まりが悪そうに視線を逸らす。


それと同時に、重なっていた手も離された。


(見すぎたかな)
チョン・ジョングク
チョン・ジョングク
遅刻するよ、本気で
あまりにもガン見されて(私とテヒョンから)ジョングクさんは居た堪れなくなったのか、ぼそりと呟いた。


ジョングクさんは、その後も目が点のままのテヒョンを1度チラリと見てから、「じゃあ俺先に行くから」、そう言ってスタスタと歩きだした。

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