第2話

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2017/11/12 02:01
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ガスマスクを装着したまま、ぼくはしばらく立ち尽くしていた。

それから、床に倒れている女を見下ろす。

催眠ガスが効いているようで、ピクリとも動かない。

顔を見た。

わずかに眉間へシワを寄せ、まぶたは強く閉じている。

きれいな顔立ちだ。

歳は、10代後半といったところか。

化粧でごまかしていない繊細さがある。



今度は、顔から下を眺めた。

タイトスカートに、白いワイシャツ。ボタンの隙間から、レースの下着が見えた。

胸もとから覗く白くてきれいな肌。

透きとおっていて、ほどよい肉づき。

触れると気持ちよさそうなーー







ぼくは、握りしめていたナイフを置いた。

べつにやましい気持ちもなかったし、そうする予定でもなかった。

けれど、一度湧き出た性欲をおさえることはできなかった。

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