私「いってきまーす!」
母「気をつけてね!いってらっしゃい」
私の名前は桜井あなた。
今日から高校1年生になりました。
自宅から最寄り駅までは歩いて10分。
そこから電車に乗って5駅先にある、
『桐皇高校』に進学しました!
ーーータタタッ
美桜「あなた、おっはよー!」
私「美桜!おはよう!」
美桜「今日からうちらもJKだよー!」
彼女の名前は、山田美桜。
幼稚園からずっと一緒で、幼なじみってやつ。
美桜「あの桐皇の制服着るとか夢みたい!」
私「ほんと夢みたいだよねー。」
美桜「この1年、遊びにも行かずに頑張って勉強して良かったー!!」
桐皇高校はいわゆる超進学校ってやつで、
スポーツも盛んだから、県外から通ってる人も多い。
名実ともにトップクラスの桐皇高校には、
お金持ちの人達も通ってるらしい。
けど、
言えない。
幼なじみの美桜にも、口が裂けても言えない。
私、この学校に対して憧れなんてない。
なんて言えない。
まぁ強いていえば家からほどよく近くて、
勉強も出来る方だから余裕で合格した。
なんて絶対言えない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!