ーーーーーーガラガラッ
徹先輩「お、良かった、誰もいない」
音楽室?
私「あの、徹先輩すみません!!
次の授業、英語じゃないんです…!!」
徹先輩「知ってるよ」
私「え?」
徹先輩「俺これでもキャプテンだからね。
みんなのことちゃんと見てるつもりだよ(笑)」
徹先輩、、、
私「先輩はB組に用事があったんじゃ‥」
徹先輩「あーーー次の大会のことで颯太にね」
私「すみません!!」
徹先輩「気にしないでよ!
それよりあなたの方が気になっちゃってさ!
何かあった?」
何か、
あったような、
なかったような、、
徹先輩「ま、いいや!」
〜〜〜〜〜♪•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪
私「え!?」
目の前には軽やかにピアノを弾いてる徹先輩の姿が‥
私「先輩、ピアノ弾けるんですか!?」
徹先輩「内緒ね!恥ずかしいからさ!」
私「なんで!?男の人でピアノ弾けるなんて、
カッコいいじゃないですか!」
徹先輩「みんながあなたみたいに、
そう思ってくれる訳じゃないからね」
ニッコリ笑う徹先輩は、
楽譜も見ずにショパンの代表曲を弾き終えた。
ーーーーパチパチパチパチパチパチ
私「先輩、すごいです!!」
徹先輩「ありがとう。ニコッ」
私「あーーー、なんかスッキリしました!!」
徹先輩「そう?」
私「はい!!ありがとうございました」
徹先輩「いつでも弾くから、何かあったら呼んでよ」
私「いつでもですか〜!?」
徹先輩「いつでも、どこでも弾くよ?笑」
私「ぷっ(笑)どこでも、はさすがに無理ですよ!笑」
徹先輩「揚げ足取るな(笑)」
ほんとに不思議と心が軽くなった気がする
颯太の好きな人とか
颯太の好きなタイプとか
颯太と同じクラスの女子とか!!
悩んでもしょうがないことだもん
颯太に好きになってもらえるように
努力するしかない!!
徹先輩「さ、もうすぐ授業始まっちゃうから行くか」
私「はい!」
音楽室は3年生の教室がある1階にあるので
徹先輩とはそこで別れ、
1年の教室がある3階へ向かう
やっぱり徹先輩は大人だなーー
部活の時は厳しいけど
空気読めるし優しいし、、
きっとモテるんだろうなぁー
そんなこと考えながら教室に入ろうとしたその時、
颯太「 あなた 」
私「え?颯太!?どうしたの‥?」
颯太が部活の時以外で話しかけてくるのは珍しい
ましてやA組に来たことなんてないような、、
颯太「さっきさ、徹先輩……」
隼人「颯太トイレなげーーよ!!心配しちゃったぞ!
て、あれ??あなたじゃーん!!」
颯太「……うるせーよ」
隼人「あれ?あなた、徹先輩に英語の辞書
借りたんじゃねーの?持ってねーじゃん」
私「へ!?あ、えっと、、」
隼人「……!!!あーはいはい、なるほどね。
内緒にしとくから安心しろよ!」
私「……は?」
隼人「だーいじょうぶだって〜!!
俺、口硬いからさ!」
颯太「隼人、もう授業始まる」
隼人「やべっ!あなた、また部活でなー!!」
何かよからぬ事を想像してるような、、
という予感は的中した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。