第3話

△3
3,576
2017/11/11 12:40




「…私と、その…付き合って欲しいの」


ずっと好きだった先輩に告げられた言葉は、俺には好都合なものだった。


「浮気相手になれ…ってこと?」


彼氏がいることは知っている。

そいつの浮気性が直らないことも。
それでも先輩がそいつから離れられないことも。


「…いいよ」


例えどんなに小さくても、可能性があるのなら浮気相手になったっていい。


「その代わり、二人の時は…アイツのこと考えないで」


俺は少し、ズルいのかもしれない。

先輩に好意を寄せながらも、その気持ちを打ち明けることもせず、彼女の頼みを受け入れようとしているのだから。




プリ小説オーディオドラマ