第10話

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2017/12/07 14:30

あれから数日間、彼女からの連絡はなかった。

何度かこちらから連絡をしようとも思ったが、掛ける言葉が見当たらずに スマホを置いた。


あの日のことを後悔しているのだろうか。
本当は脆くてか弱い人だから、自分を責めているのかもしれない。

つまらない教授の講義は、先輩のことを考えているとあっという間に終わる。


大学でも先輩の姿を探してはいるものの、そう簡単には見つからない。


「佐々木、学食行こーぜ」

「おう」


恋というものは厄介なもので、もしかしたら避けられているのかもしれないなんて 俺をネガティブな思考にさせるのだ。


重たい足取りで向かった食堂は、すでに多くの学生で混みあっていた。

食券を買うために長蛇の列に並んでいる時も、キョロキョロと周りを見回し 彼女の姿を探す。


「佐々木?前 空いたぞ」

「あ…あぁ。悪い」

「どうした?ぼーっとして」

「いや。…平気」



体を繋げれば 彼女を手に入れられるなんて、そんなふうに思っていたわけではない。

ただ、少しでも俺を意識してくれれば良かった。



それだけで、良かったのに。

どうして こんなにも距離ができてしまったのだろうか。


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