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第5話

忘れられたお弁当袋
エーシュカをなんとかして部屋の外に出したいんだけど、猫の姿だとひょいひょい逃げ回るから一向に捕まる気配がない。


そうこうしているうちに、もう学校へ行く時間にまでなっていた。

朝から本当に最悪……私は力づくでエーシュカを部屋の外に出し、
あなた

っ!行ってきます!

支度をしてから慌てて家を飛び出した。


あなた

……………ない…

ない!ない!ない!私のお弁当がなーい!
これは絶対家に忘れてきたパターンだ…

うう。もう今日はとことんついてない。
はあ、と大きくため息つくと、
クラスの誰かが、
クラスメイト
おい!みんな窓の外見ろよ!
と、興奮した様子で言った。

その声を聞いた他のクラスメイトらがなんだなんだ、と一斉に窓の外から校門を覗き込む。
クラスメイト
あれだよあれ!校門付近でうろうろしてる金髪!
クラスメイト
やばい!超イケメンが立ってるよ!

…………ふーん金髪の男かぁ…


もう今日は一切金髪見たくないday。


私は人間の姿をしたエーシュカを思い出し、またため息をつく。

そんなどんよりした私とは裏腹に、クラスのボルテージは最高潮に達したらしい。

誰かが窓を開けて「どうしたんですかーー!!」と外にいる金髪の男に叫んだ。

クラスメイト
…ねえ!あれあなたのお弁当袋持ってない!?
クラスメイト
あ、ほんとだ…!ねえあなた!早くこっち来て!
友達が私のことを手招きするから、重い腰をあげて窓から校門を覗き込む。

すると、見覚えのあるお弁当袋を持った、見覚えのある金髪の男が、そこに立っていた。
あなた

………エーシュカ!?

クラスメイト
ん?エーシュカ??
あなた

あっ、ううん。なんでもないの。それより私、お弁当取って来るね!

まずいまずい…兄弟のいない私に兄がいるわけないし、彼氏持ちなわけでもない。
エーシュカのことが完全にバレた今、どうやって周りの友達に説明すれば良いの…

そんなことを考えつつ、私はエーシュカの元へと走った。
そんな走って来た私に気がついたのか、エーシュカは笑いながら手を大きく振り、「あなたちゃん!」と叫んでくれる。

猫とは思えないくらい、愛嬌が良い。


ちらり、と後ろを振り返れば窓からはクラスメイトからの期待の視線。

うわぁ…絶対カレカノだって思われてるよ…

早くその場から逃げたくて、私はエーシュカが持っていたお弁当袋を自ら奪うと、
あなた

あっ、ありがとう!じゃあまた!

と言うもの、内心は申し訳ない気持ちでいっぱい。こんなヨレヨレの服で来てくれて。(多分きっとこの服しか持っていないんだろうけど)


私はそそくさくその場を立ち去ろうとすると、エーシュカは私の腕を掴むと、ぐいっと自分の方へと引き寄せた。
エーシュカ
…ねえ、今日放課後迎えに来るから
エーシュカ
一緒に帰ろうよ

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