無料ケータイ小説ならプリ小説 byGMO

第7話

お父さんの冗談は面白くない
あなた

ねぇママ。どうしてもこの子拾っちゃダメ?

お母さん
ダメよ。どうせあなたはすぐ飽きてお世話しなくなっちゃうでしょ?
あなた

絶対飽きないもん。ちゃんとお世話するもん

「みゃあみゃあ」と子猫がか細く鳴いていたのを今でも思い出す。

やせ細った体、でも透き通った青い瞳は宝石みたいだった。



-----------------


お母さん
大事に育ててあげるのよ?
あなた

うん、うん!んーと名前は何がいいかなぁ?

お父さん
そうだなぁ…お父さんの名前を子猫につけてあげてもいいんだぞ?
あの時のお父さんの冗談は、本当に面白くなかったな…
あなた

…んーとじゃあプリンにする!私プリン大好きだもん!

あなた

よろしくね、プリン

まあ約10年後に猫本人から、「名前がダサい」と言われるんだけどね…



-----------------



あなた

お散歩の途中で、迷子になっちゃったねぇ…

プリン
みゃあ
あなた

ここ、どこだろうねぇ…

ぽつぽつと、アスファルトが濡れていく。
私の涙なのか、空の涙なのか。
あなた

……おかあさん…おとうさん…っ

いつも悲しい時、寂しい時はプリンを抱っこすると暖かくて、安心して。
路地裏でしゃがみこみ、プリンを長い時間、抱きしめていた。

どれくらい時間がたったのか、分からないけど、突然腕の中にいたプリンが飛び出し、どこかへ消えてしまった。

あなた

プリンまで居なくなっちゃやだよ…

また溢れる涙を必死におさえていると、突然、男の人に声をかけられた。
大丈夫だよ、こっちにおいで
頭を撫でてもらうと、そのままひょいっと抱っこされ、家まで連れて帰ってもらったことがある。

その人の体温になぜか安心して、当時は不審者意識なんて全くなかったな…

ただ、自分の名前を言ったわけでもなく、住所を言ったわけでもないのに、どうして私の家がわかったのか。

その後、何事もなかったかのように帰ってきたプリン。



今考えると、思い出すことがある。

あの時抱っこして家まで連れて言ってもらった人。その人は確か「金髪」だった。


………まさか、ね。


そんなまさか。おっちょこちょいの私が誰かに助けてもらったのはこの日以外にもたくさんあって、たしかに、その助けてもらった人の大半は「若い男」で「髪の明るい人」だったようにも思える。


でももし、その助けてもらった人が人間の姿をした「エーシュカ」だとしたら?

エーシュカは、私が小さい時から、猫から人間へと姿を変えていたことになる。

それは同時に猫の国での約束を破っていることにもなる。

そうなってくると、昨日、エーシュカに質問しても答えてくれなかった「理由」に私が関係していることになっちゃうの、か。
先生
はい、あなたさん。この問題の答えはなんですか?
………まずい。完全に聞いてなかった。

シェア&お気に入りしよう!

この作品をお気に入りに追加して、更新通知を受け取ろう!

ㅤmm
入賞者バッジ
ㅤmm
いいね、お気に入りをくれる方々に感謝の気持ちでいっぱいです。いつもありがとうございます(/ _ ; ) 皆さんに楽しんで読んでいただけたら嬉しいです。
恋愛の作品もっと見る
公式作品もっと見る