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第14話

幸せの天使は本当にいるのか

それから、何日経ってもエーシュカは帰ってこなかった。

私の部屋には、ぽつんと残るエーシュカのベッド。どれだけエーシュカの名前を呼んでも、「にゃあ」と鳴いてくれる声はない。


また探しに行こうかな、と家を出る休日の午後2時。


フラフラと、公園や学校の近くを歩いてみるけど、やっぱりエーシュカの姿はない。
本当に、猫の世界に帰ったのなら、もう人間の世界には戻ってこないんだろうか。
そんなことを考えながら、私は公園のブランコに座る。

遊んでいる子供達に変な目で見られている気が、しなくもないけど、今はどうだっていい。

最近はため息ばかり出る。
ため息をつくと、幸せの天使が逃げるよーって誰かが言ってたけど、あれは本当なのだろうか。本当なら、今日からため息をはくことをやめればエーシュカが戻ってきてくれるんじゃないのか。
うう、でももうそういう類の迷信を信じるしかない。
永瀬くん
……おーい
……この声は、永瀬くん?

俯いていた顔を上げると、声の主はやっぱり永瀬くんだった。
永瀬くん
なに、黄昏てるんだよ
あなた

黄昏てなんて、ないよ

見栄を張ったけど、自分でもわかるくらい声が沈んでいた。
そんな私を見て、永瀬くんはフッと笑う。
永瀬くん
隣、座るよ
そう言って、永瀬くんもブランコに座った。なんだか、あの永瀬くんがブランコに座ってるなんて、面白い。

そういえば、なんで永瀬くんはここにいるんだ?もしかして永瀬くんも私みたいに、何かを探しに来たんだろうか。
あなた

永瀬くんは、何か用があったの?

永瀬くん
え?いやたまたま通りかかったら見覚えのある姿を見つけたから
なるほどなるほど、そういうことか。
……あ、そういえば、この前永瀬くんに頼まれて、一緒に永瀬くんのお姉さんの誕生日プレゼント買いに行ったんだけど、どうだったんだろう。喜んでくれたのかな?
あなた

そういえば、お姉さん、プレゼント喜んでくれた?

永瀬くん
ああ、そうそう。凄い喜んでた。あの時はありがとう
あー今思い出せば、あの日エーシュカに尾行されてたんだっけ…それでその日からずっと不機嫌で…ってせっかく永瀬くんと話して気を紛らわせていたのに、またエーシュカのことを考えてしまった。そして思わず、はぁ、とため息をついてしまった。

慌てて口元を抑えるけど、時すでに遅し。

永瀬くんは不思議そうに私の顔を見て、「なんかあったのか?」と訪ねてきた。
あなた

えーっと…飼ってた猫が、いなくなっちゃって…

その時、ふっと浮かんだのが " 猫の姿 " のエーシュカじゃなくて、" 人間の姿 " をしたエーシュカだったことに気づく。

いつも、助けてくれたのはエーシュカで、きっとあの小さい頃の " 金髪の男性 " もエーシュカなんだろう。

…確信は持てないけど。今まで私を助けてくれた人が、自分の側からいなくなるなんて、寂しいなんていうものじゃない。
永瀬くん
俺の家も、黒猫飼ってるんだよ
あなた

えっ?そうだったの?

まさか、永瀬くんも猫を飼ってなんて…!
永瀬くん
だからさ、俺も自分が大切にしている猫が、いなくなったらすごいヘコむから

" いなくなったら辛いよなーほんと " と私を気遣ってくれる。
あなた

永瀬くんの猫は、なんていう名前なの?

永瀬くん
名前?名前は、ミーシャ。メスだよ
ミーシャ、かぁ。可愛い名前!
しかも黒猫ってなんだか魔法が使えそう。
……あれ。魔法?もしかしてミーシャちゃんもエーシュカの見たいに魔法が使えたり?…なんて。
そういえば、エーシュカは猫の国の約束を破って、この世界で魔法を使っているんだったっけ…

あぁ、もしかしたらそのせいで猫の国の偉い人に怒られて、帰らないといけなくなったのかも。
私がおっちょこちょいだったせいで、それを助けるためにエーシュカが今まで魔法を使っていたのなら、私のせいでエーシュカは……怒られてる!?

ああ、どうしよう。でも今の私にはどうすることもできない。猫の言葉が分かるわけでも、猫の世界に行けるわけでもない。でも、何か協力してあげたい。


もしそうであるなら、どうしたらいいんだろう…

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