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第19話

放課後デート? ②
はぁはぁと息が上がる。…そりゃあ当たり前か…

なんとか私たちはあの場から逃げてきて、ようやく本来の目的地、洋服屋の近くにいる。
あなた

はあ…ちょっと疲れちゃった…

ヨロヨロとその場にしゃがみこみ、息を整える。私もおばさんになったもんだ。

でも、そんな私に比べてエーシュカは相変わらず涼しい顔をして私を見るたび笑う。

もう、誰のせいで走らないといけなくなったと思ってるんだ!
私の顔を見て笑うエーシュカを、少し睨む。…でも多分疲れて睨めていない。
エーシュカ
ほら、立ってよ。俺の服買ってくれるんでしょ?
そう言って差し出してくれる手のひら。
ああ、この大きな手で私はさっき触れられたんだ、なーんて考えて自爆。
なんだかその手を取るのが恥ずかしくって、あえて無視をしてしまった。

今のは可愛げのない女の子だったかな…

そう思うとチクリと心が痛んだ。



お店の中に入ると、どれもこれも金髪で顔の整ったエーシュカには似合う。
あなた

ねえねえ!これはどう?

エーシュカ
お、いいね
私が選んだ洋服を鏡の前で合わせてみると、びっくりするくらい、似合っている。
もしかして、このお店はエーシュカの服の専門店?なんて。
あなた

んーとじゃあこれも合わせてみて!

エーシュカ
おーこれもいいね
あなた

はい次はこれ!

エーシュカ
いいねいいね、最高だよ
あなた

………これは?

エーシュカ
うおーこれもまたいいね
………今渡したのはレディースのトップスである。それに気がついたエーシュカは、少し慌てた様子。
あなた

もっと真剣に選んでよ!自分の服なんだから!

エーシュカ
いやだって、あなたちゃんに選んでもらったものなら何でもいいからさ
………なんだそれ。
まるでさっきのあの言葉を肯定するかのようで、また心臓がドキドキし始める。
これは、さっき走ったせい?…それとも?
あなた

私だけが決めたって全然だめ!

エーシュカ
俺はあなたちゃんに決めてもらいたいんだよ。
私がどんなにエーシュカの言葉を交わそうとしても、エーシュカは私を捉えて離さない。多分私が何を言っても、エーシュカは自分では決めないんだろう。なんだかそんな気がする。
あなた

……じゃあもうわかったから!私が選ぶから!





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店員
ありがとうございました〜
あなた

はいこれ!文句は受け付けません!

私はエーシュカにショップバッグを押し付けるかのように渡す。
そうすると、エーシュカはすごく満足そうな表情を浮かべて、" 今日はありがとうね " と私に言った。ほんと、調子が狂っちゃうなぁ…


家の近くまで来ると、エーシュカはまたくるくると回り、猫に戻る。
ここで、私はエーシュカが " 猫である " という事実を思い出す。


そうだった…エーシュカは人間じゃなくて、猫だった。


そう思うと、どこか胸の奥が苦しい。
エーシュカはまた猫らしく歩き始めるけど、私はその姿をただ見つめるだけ。

辺りをオレンジに染める夕焼け。
その向こうでカラスが群れをなして飛んでいた。

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