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第21話

家が近いから
次の日の学校は、みんなに昨日の晩、エーシュカのことを説明していたから、この前みたいに大きな騒ぎにはならなかった。


…でも、永瀬くんだけは違った。
永瀬くんから、私が送ったメッセージに既読がついただけで返事は来ていない。

そして、全く私に声をかけなくなった。
あまりの変わりぶりに、私の友達も気づいたのか、" 永瀬と喧嘩でもしたの? " と聞いてくるほど。
私が否定すると、次は " もしかして永瀬はあなたのことが好きかもね " と茶化して来た。

そんなこと、あるはずがない。
男友達のいない私にとって、唯一、話しかけてくれるのは永瀬くんだったのに。




その日から、永瀬くんのこと、エーシュカのこと。学校でも家でもそのことばっかり考えてしまって、頭がおかしくなっちゃいそう。

しかも、最近エーシュカはずっと猫の姿のままで。私がお願いしない限り、人間の姿にはなってくれない。

…お願い、するしかないのかな。

そう決意を固めた日の夜。
あなた

……ねえねえエーシュカ

あなた

…あ、人間の姿になって、話を聞いて欲しいんだ

部屋のベッドに横になりながら、ごろごろしていたエーシュカに私がそう言うと、くるくると三回回って、人間の姿になってくれた。

……よく考えれば、なんだかこの光景ももう見慣れてしまった。
他の人から見れば、超絶不思議現象だ。


人間の姿になったエーシュカは、あぐらをかき、
エーシュカ
…で、どうした?
と、私を見つめる。


私は、これまでの永瀬くんとのことを話した。お姉さんの誕生日プレゼントを選びに行ったこと、公園で話をしたこと。突然メッセージが届いたこと。そして私の返信に既読無視をしたこと。
時折、私の話に驚いた様子を見せたが、最後までうんうん、と頷いくれた。

そして、私が最後まで話し終わると、
エーシュカ
……なあ、あなたちゃんは永瀬の事が、好き?
意外な質問に、思わず静止してしまう。
そして、答えるまでに少し間をとってしまった。
あなた

うーん…好きとか、そういうのじゃなくて

あなた

唯一話せる男子だった、から…

私がそう答えると、エーシュカは少し満足そうな表情を浮かべるが、言葉では" そっか " と答えるだけ。
エーシュカ
なんか、今の話を聞いてると永瀬って奴はあなたちゃんのことを、恋愛対象として見てたような気がする
あなた

……え?

この前、友達が"もしかして永瀬はあなたちゃんのことが好きかもね"と言った言葉を思い出す。
せっかく頭の引き出しにしまっていたのに、また現れてしまった。

永瀬くんが、私のことをそんな風に見ているなんて、全然感じない。
むしろ永瀬くんも私と同じように " 話しやすい異性 " としてしか見ていないんじゃないのか。


でも確かに言われてみれば、そうかも?と思い当たるところがある。

クラスの女子で、私にしか声をかけないこと。しきりに " あの金髪と付き合ってるの? " と聞いて来たこと、それと、お姉さんの誕生日プレゼントを私に選ばせたこと。
永瀬くんにそのことをお願いされた時、" どうして私なの? " と尋ねた。そうすると永瀬くんは " 家が近いから " と答えた、っけ…
( ちなみにそこまで家は近くない )


………でもこれだけじゃ判断要素が少なすぎる。
あなた

でも、私のことを好きだとか、永瀬くんに聞いてみなきゃ、分かんないよ……

本当に、そうだ。本心なんて、聞いてみなきゃ分からない。

だから、エーシュカのことも。
本人に聞いてみないと、分からないんだ。


私は近くにあったぬいぐるみを抱きしめ、顔をうずめる。


「………私、どうしたらいいんだろう」

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