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第22話

猫なのに
私はぬいぐるみに顔を埋めたまま、エーシュカの言葉を待っていた。

でも訪れるのは、静寂ばかり。

自ら行動しろ、っていう神様のお告げなのか、よく分からない。

でも今のままじゃ、エーシュカとも永瀬くんとも、分かり合えない。このままは、嫌だ。
あなた

……前にさ、私に、言ってくれた言葉、覚えてるかな?

私はぬいぐるみから顔を離した。
でもエーシュカの目を見ては話せなくて、天井に、言葉を放つ。
あなた

あれはさ、どういう意味、なの?

言えたぞ私。頑張った私。天井と会話しているようだけど、これが私の限界。マックス。私の声が、天井を跳ね返して、きっとエーシュカの耳に届いている。

エーシュカは少しこめかみを書きながら、少し息を吐いた。


エーシュカ
どう、ってそのままの意味
エーシュカ
…俺は、あなたちゃんが、好きなんだよ
エーシュカ
猫なのに、飼い主を、好きになったんだよ
" 俺は愚か者だよ " と最後に付け加えた。
いきなり言葉がポンポン返ってくるから、少し噛み砕くのに時間を要した。



" 猫なのに "



今一番、触れると壊れちゃいそうなくらい、脆い部分。

でも1番核心に近く、いつか触れないといけない。


ああ、やっぱりあなたは猫なんだ。
そして私はあなたにとって、飼い主なんだ。それ以下もそれ以上もない。

でも、エーシュカの言葉を私が受け止めてあげないといけない。


私は、飼い主だから。


きっともし、あなたが猫じゃなくて、
普通の人間だったら。
きっと今、私は喜びに満ち溢れているだろう。

それに気がついた時、私も自分自身を
" 愚か者だ " と思った。
あなた

…エーシュカが愚か者なら、私もそれと同じだよ

人間のエーシュカに出会って、まだ日は浅いけど、私は知っている。
あの幼い時から、私は心のどこかで " 助けてくれた金髪の男の人 " に特別な感情を抱いていたことを。

そして、その人の正体を知った時、私はその人に恋をするだろう。


エーシュカは、私の言葉の意味を聞いては来なかった。

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