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第23話

尾行開始 ①
完全に、言ってしまった。

大きな過ちだということは分かっていた。
でももう、言葉にしないとやりきれなかった。

何年も、何年も、側で見ていたからこそ、あなたちゃんの口から男の名前が出るのは正直、耐えられなかった。
もちろん、あなたちゃんが誰と仲良くしようと、それは彼女の自由だっていうのに。
止められなかった。俺は愚か者だ。

国の約束を破り、その上、飼い主に恋するなんて。



あなたちゃんが寝ている中、俺はどうするべきか、ずっと考えていた。

俺はもう少しで国に帰らないといけない。
そしてそれは、もう二度とこの世界であなたちゃんに会えなくなるということを暗示している。

……あと一年、もない。



" エーシュカが愚か者なら、私もそれと同じだよ "



あなたちゃんが、苦しそうに言った、言葉。

俺が、どういう意味で自分のことを愚か者だ、と言ったのか、果たして彼女は理解しているのか。
はたまた、飼い主として、何かしらの責任を感じて言ったのか。


……分からない。さっぱりだ。


ただ、あの " 永瀬 " という男に関しては色々聞きたい話がある。

お節介かもしれないが、俺は俺としての意思を尊重する。
あと少しの間、どれくらいあなたちゃんに恩返しができるだろうか。




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学校から出てくる、一人の見覚えのある人物発見。
いたぞ。あれが永瀬、という奴だな。


こうやってまた学校の植え込みに隠れるのは久々だ。
今回は、あなたちゃんとも、他の誰とも一緒じゃないらしい。普段から一人で下校しているのだろうか。

まだ学校周辺は下校途中の生徒が多いから、ゆっくり尾行して、誰もいなくなったところで、俺は曲がり角に身を潜め、人間の姿になるつもり……だった。
永瀬
うわっ
永瀬の第一声は、随分と間抜けな声であった。

どういうことか、永瀬は俺が隠れていた角を曲がってきたのだ。

まずい、このままだと人間の姿になれない。俺がそう焦っていると、永瀬は俺の顔をじっと見つめるなり、
永瀬
お前、あの時の猫だろ?
と、聞いてきた。しかもなぜか堂々とした表情だ。

くそ、あの日のことを恨んでいたのか…

面倒くさいことになる前に、さっさと逃げようと俺はその場を離れようとした時、
永瀬
待てよ
永瀬
しかもお前、あの金髪男だな?



………は?

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