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第27話

純白の薔薇
きっと永瀬くんは気がついてるんだ…
私もエーシュカの事、ただの猫として見ていないこと。

だからあんな " 奪いに行く " なんて言葉を…
人生で三回モテ期がくる、とか聞くけど、私の人生のモテ期は今のこの瞬間に凝縮されている気がしてならない。

このままモテ期が終わって一生独身だったらどうしよう……

きっと今のこの数学の時間より、私が一生独身かもしれない説の方が大事だと思う。


早く、エーシュカ帰ってきてくれないのかなあ…
猫の国での" やること " って何だったんだろう。




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ミーシャが、父の前で盛大にワインをぶちまけた。
どんなにミーシャ側の親が謝罪の言葉を述べても、俺の父はヘソを曲げたまま、



" い、今すぐ婚約を取り消せ!今すぐだ! "



まさか、こんなに早く事が進むとは思ってもみなかった。
きっとこれも、ミーシャの演技力の高さのおかげだろう。

そして、一旦この国を出ようとした時だった。


" 待て、エーシュカ "


父に名を呼ばれた。


ミーシャには先にあっちの世界へ帰っていてほしい、とだけ伝えて、俺は父と共に、父の部屋へ足を運んだ。
 …お前、" 人助け " なんていうつまらぬことをしたらしいな
父はいつものソファーへ深く腰をかけ、そして、白ワインを口にした。
あの小娘から聞いたぞ。…名は、ミーシャと言ったか
……ミーシャ?
なぜ今ミーシャの名前が出てくるのか。
俺は人助けなど全くしていない。
あの小娘が、自分が人間を好きになったからそれで婚約破談をしてもらうようお前に協力してもらった、と言っておった
…………!
それは、お互い様の話だったじゃないか。
俺も、人間が好きで、ミーシャも人間が好き。今回の話はお互いがお互いを守るためのものだったのに。

さすが、あのミーシャだ、と思った。
……俺は、人助けをしろ、などと育てた覚えはない
父はまた白ワインを傾けると、そのまま飲み干してしまう。

父の、喉が鳴る音だけが聞こえる。
でもその話が本当なら、お前はきっと人間の世界で…培ったんだろうな
………お前に、もう少し人間の世界で暮らす猶予を与えよう。もちろんあの小娘と家族にもそれなりの褒美を与えておく
エーシュカ
父、さん…!
まさかの言葉だった。
婚約が破談になればそれでいい。あと少しの間しかあなたちゃんの側にいれなくてもいい。それしか俺の頭にはなかった。
しっかり、学んでくるが良い。エーシュカ


俺は生まれて初めて、誰かに頭を下げた。

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