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第29話

俺の原動力
" 俺は愚か者だからね " とぽつりと言い放つ。

……エーシュカは愚か者なんかじゃない。恋に、猫だから、人間だから、なんて関係ないはずだ。異性でも、同性でも、誰かを愛すことはおかしくなんてない。
あなた

…エーシュカが愚か者なら、私も同じだよ

私は、前にも一度言った台詞を、また口にした。
すると、エーシュカはさっきまで下を向いていた顔を上げ、じっと私の方を見つめる。
エーシュカ
それは、どういう意味で言っているか、あなたちゃんは分かっているの?
あなた

…分かってるよ

あなた

私もエーシュカが好き、って。気が付いたんだよ

エーシュカは、ぴくりとも表情を変えることなく、ただ、私だけをその瞳に映す。
あなた

……私が小さい頃、何度も、何度も、エーシュカは助けてくれたよね

猫の国の約束を破ってまで、私を守ってくれたよね

さっきまで、まるで私を見つめるだけだったのに、今は驚いた顔を見せる。……うん、そうだよね。何で知ってるんだ、ってなるよね。

でも本当に不思議と、これは確信が持てた。あの日助けてくれたのは他の誰でもない。あなたしかいない。
エーシュカ
……なんで、知ってるんだ?誰かから、聞いたのか?
私は一呼吸置いて、
あなた

ううん、違うよ。でもなぜか、エーシュカだ、って思ったの。エーシュカの人間の姿を見て

すると、


" ありがとう "


エーシュカはそう言った。
エーシュカ
…約束を破ってまで、守りたいと思ったんだ
エーシュカ
だって、あなたちゃんも、俺のことを救ってくれただろ? 

捨て猫だった俺を、大事に、大事に、ここまで育ててくれたじゃないか
これこそ猫の恩返しだよ、としんみりとした空気を跳ね返すように、エーシュカは私を見て微笑む。
エーシュカ
…本当は、もうすぐ猫の世界に帰らないといけなかったんだ
………え?

さっきまで緩んでいた空気が一変する。
エーシュカ
でも、ミーシャが助けてくれたおかげで、何とか、時間を引き延ばすことができたんだ
エーシュカといれる時間は、無限ではなく、有限?
それがすぐそばまで、迫っていたというの?
エーシュカ
でも、俺がまだ帰りたくないと思えたのは、あなたちゃんのおかげだから。俺の、原動力になったから
エーシュカ
……ずっと苦手だった父さんの事も、その件のおかげで、少し見直せたんだ

あなたちゃんを好きになっていなかったら、多分、ここまでは本気になれてなかった
" だから… " と言いかけたところでエーシュカが少し息を置く。
エーシュカ
もう一度言うよ。ありがとう。あなたちゃんのおかげだから
エーシュカはふにゃっと笑った。

…きっと、あっちの世界で、エーシュカは何か問題を抱えていたんだろう。私には少し分かり得ない話かもしれない。
でも、エーシュカのこんな顔を見たら、もっと彼の理解者になりたいと思った。もっと彼の原動力になりたいと思った。
エーシュカ
そして、改めて言うけど俺は、あなたちゃんの事が、




_________ " 好きだよ "




エーシュカ
永瀬には負けない。絶対に。
エーシュカは、真剣な眼差しだった。
……負けない、って。二人は勝負してたのか。知らなかった。
でももう勝敗は、決まっちゃってるんだ。ずっと前から。もし、本当に勝負してたのなら、ごめんね。
あなた

負けないよ、エーシュカは

エーシュカ
……?
あなた

私もエーシュカのことが " 好き " だから

あなた

……猫だけど、そんな事関係なくて

きっと私も、小さな頃に助けてもらった時から、ずっと…

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