第7話

#6 イチゴパフェ
114
2017/11/14 14:51
 あのラブハプニングから1週間。未だにあなたちゃんは授業中、緊張している。




でも今日、新たな進展があった。
「おい、いお。奏とあなたさん!見てみて。」
数学の授業のことだった。あたしはまだ察することが出来なかった。
「え?なに?」
「まだ分からないのか?あなたさんと奏、シャーペン交換しているんだぞ。」
「え!?そうなの?」
急な進展だな。でも、なんでシャーペンを交換する必要が……?。


―キーンコーンカーンコーン
「おーい!いお!ちょっと来てー!」
虎太朗とれおだ。何かあったのかな?浮ついている感じがする。
「なに?」
「こっちに坂下彩月と市井海のカップルいるだろ?」
「あー。らしいね。」
ああ、知っている。海から聞いたが、無理やり付き合わされた……とか?
「が?どうしたの?」
「あいつら、シャーペン交換してるんだけど、なんなの?」
嘘でしょ。こっちでも同じようなことがあった。
「ああ、こっちでもあなたちゃんと奏が交換してたよ。」
「マジで!?なんなの?」
「知らない。」
やっぱり、みんな知らないよね。その時、ちょうど塾の先輩の山口葵先輩がいた。
「葵先輩!男女でシャーペンを交換するのってなんか意味あるんですか?」
そう聞いてみた。
「ああ、知らないのー?」
えっ。葵先輩は知っているらしい。それもそうか。だって、葵先輩は付き合って半年の彼氏がいる。
「なんですか?」
「シャーペンを交換するのっていうのは両思いって意味らしい。よ?」
え?奏とあなたちゃんは両想いなの!?。
知らなかった。ちょうどその時、笹本が通りかかった。あたしたちとすれ違う時だけ、ものすごいスピードで通り過ぎていった。
「じゃあ!ばいばーい!」
と、葵先輩は教室に戻って行った。
「そんなんあったんだ……。」




昼休み。あたしと虎太朗は先生に頼まれて図書室に本を探しに行った。
「なぁ、あれ。笹本と松井じゃん。」
「あっ、ほんとだ。」
笹本とあなたちゃんは図書委員で同じだ。今日はちょうど、二人とも当番だったらしい。
「ちょい、見てみよーぜ?」



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「なあ、松井。」
「ん?なにー?」
一瞬、笹本の顔が赤くなる。
「俺、お前が好きだ。」
「えっ。」
あなたちゃんの顔も赤くなる。
「ごめん。あたし、奏が好きなの。」
「知ってる。でもずっと変わらないよ?奏をすきでいても。」
「そう。ありがとう。」
「うん。今からでも、気持ち伝えに行ったら?」
「うん!」





#6 イチゴパフェ
END

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