第7話

秘密
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2017/11/14 08:08
あなた「うっ…」

ああだめだ…腕が掴まれて居るから逃げられない。私の腕を掴む涼介、という人の表情からは 私が突然逃げた事への驚きと怒り そして悲しみが見られた。

どこから話せば良いのだろうか…

あなた「こ、ここに居るのは…(本当の感情を出すために歌を歌ってる事を話した)」

侑李「本当の感情??」

あなた「本当のっていうのは…(保育園の頃から感情を表に出す事が上手く出来なくなった事を話した)」

涼介「…そうか……」
圭人「山ちゃん…腕」
涼介「ん…?」
宏太「腕」
涼介「(あなたの腕を掴んでいた事に気づく)あ、悪りぃ……(離し、目をそらす)」

あなた「い、いえ…大丈夫です『だめだ知らない人に腕を掴まれた。過去も知られた。歌は歌えないな…』もし、ここが使いたかったら私はもう来ませんので…」

光「来ないってどういう事?」
慧「『え、来ないの?』歌うのやめちゃうの…?」

あなた「まあ…はい、そうなりますけど…気にしないで下さい 大丈夫ですから(笑おうとはしてるが上手く笑えていない)それじゃあ…(帰ろうとする)」

雄也「…(出口をふさぐ)駄目だよ 本当は歌いたいんじゃないの?」

あなた「本当に大丈夫ですから…」

大貴「あなたちゃんさっき自分で感情を表に出す事が苦手って言ったよね?「大丈夫」って言ってるけど全然大丈夫な表情してないよ」

あなた「うっ…」

そうだ。本当は大丈夫では無い。この人達に過去を話してしまったからには嘘をつく事は難しい。今までの自分はこの秘密の場所で感情を歌に乗せ、歌っていたがそれが出来なくなるとなれば 本当の感情 を出す機会は無くなってしまう…どこにいても 嘘 にまみれているのだ。
ならばこの機会に友達にも過去を話せば良いのじゃ無いか?と言われたらそうかもしれない。しかし、今まで嘘ついてました。本当の感情じゃありませんでした。などと言ったら悪い方向にいってしまう可能性は高い。簡単なことでは無いんだ…

裕翔「なら秘密の場所を見つけてしまったお詫び…というのもなんだけど 一度事務所に来てみない?」

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