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第1話

大好きなのに
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2017/11/12 07:37
ーピピピピッ
「ふわーぁ」
今日は快晴だな。なんて思いながらゆっくり起きてると、
「京香ー。早くしなさーい。かずくん来てるわよー」
ってお母さん。
…え!?かずくんもう来てるの!!!???
「は、はーい。今行くー!」

私は池上京香。地元の高校に通う17歳。
元気だけが取り柄の女子だよっ!
って、ゆっくりしてる暇ないんだった!かずくん待たせてるし、学校遅れる!

-ドタドタドタ バタン!
「行って来ます!」
「行ってらっしゃい」

「かずくん!ごめん、待たせて」
「全然大丈夫よー。俺が京香と行きたいから毎日来てるんだし」
うぅ。かずくん優しい。
「ありがとっ 大好き!」
「いいえ」

かずくんは私の彼氏。 かずくんこと山野和也はバスケ部で身長は高めの180㎝。母はモデルでもみたいに小さくてすごく整ってる。誰にでも優しいし、笑った顔はすごいかわいい。もちろんモテモテだよ?

かずくんとはもうすぐ一年記念日なんだ。

「ねぇ、かずくん」
「ん?」
ほら、その振り返った時の笑顔。大好き。
「なんでもない!」

こうやってさ、手を繋いで歩くのが私たちにとって当たり前になってたよね。
だから、この当たり前が無くなる日が来るなんて思ってなかったよ。普通は思わないよね。

あと、もうこの頃から私の歯車が狂い始めてたんだね。


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