そうこうしていると午後の授業が終わるチャイムが鳴った。
次は部活だ
藍那は陸上部。
中学の時からやっててすごいんだよ。
県大会では優勝常連。
さきちゃんは吹奏楽部。
クラリネット吹いてるんだって。
すごいなぁ…。
ぼーっとしていると
そう言って飛雄は走って行った。
部活のことになると本気になるよね。
さすがバレーバカ。
思わず口から溢れてしまった。
やべ
誰も聞いてないよね
びっくりしすぎて変な声が出た。
誰だろ
振り返ると月島くんがいた
あれ…。山口くんがいない。
珍しいな…。
月島くんらぶの山口くんが月島くんをほったらかしにするなんて
月島くんが聞いてきた
そういえばそうだな…。いつも一緒に行ってるなぁ
月島くんは笑った。
そんなにたってたのか。やばいな。
ぼーちゃんになりそうだ。
月島くん今、誘ったよね。
うん。
誘った。
なんか柄に合わない。
顔が熱いなんだこりゃ
私達は教室を出た。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!