「よしっ!これでいいかな?」
「いいっしょ!」
「いいとおもうよ!」
「いいよいいよぉ〜!」
「いいんじゃない!」
揃ったのか揃ってないのかわからないけど、みんなが同時に答えてくれる。
「じゃあ、島仲先生のとこ確認もらってくるねー」
「いってら〜」
いくつかの班は私達より早く終わったらしく島仲先生の前には列ができている。
「正門前に集合してどうするの?児童のみんなは登校してくるんだよ? もう1回よーく考えてきて! はい次ッ!」
声がきこえてくる。
先生も頑張ってんなぁ。
あの落書きを見られた日から妙に先生のことが気になってしまう…。
廊下ですれ違ったときのいい香り
授業のふと気を抜く一瞬
集会中に前で立つ人の冗談を笑った顔
野球部でノックを打つ姿
先生も人なんだ。って実感できて…
それがなんだか嬉しくて…
とうとう私はおかしくなったのかもしれないな…
「……ちさん……s内さん……橋内さん」
「あなたちゃん!」
後ろの人に肩を叩かれる。
「……橋内さん。キミ何回呼んだと思ってんの?笑」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。