全速力で走って、何日かした時ある村に来た。
僕の「故郷」に似ている小さな村だった。
その時、僕の心がどす黒い憎しみの感情で支配されそうになった。
「僕が"復讐"したいのはここじゃない。」
そう言って心を落ち着かせた。
そして、また全速力で走った。
何日か全速力で走ってやっと「故郷」に帰ってきた。
「ほんと変わってないなぁ〜」
この空気も村のにぎやかさも、まるで「あの時」を
そっくりそのまま切り取ったみたいだった。
「まぁ僕のことなんかとっくのとうに忘れて楽しんでるんだろうけど。」
あぁなんて愚かな奴らなんだろう。そう思うと自然に笑いがこみ上げてくる。
今すぐその輝く笑顔をぐっちゃぐちゃにしてあげるからね
さぁ悲劇のヒロイン共、"復讐"の時だ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。