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あなた
放課後 特別棟の資料室に来るように。
侑介
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その手紙のせいで、授業には集中出来なかった。
頭の中で 彼との甘い時間を思い起こす度、下半身がじんと熱くなる。
触れてもいないのに 想像するだけでとろりと蜜が溢れる感覚を覚え、ひとり恥ずかしくなった。
放課後までの時間はとても長いものに思えた。
待ち望んでいた“あの時間”を、ようやく迎えることが出来る。
「あなた。帰ろ?」
「ごめん。…今日ちょっと用事があって」
理沙に嘘をつくのは少々胸が痛んだけれど、それでもやはり欲望には勝てない。
このあとに待っているのは、私にとって夢のような時間なのだから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。