第14話

#4 変わらぬ想い
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2017/12/07 10:44
画面の向こう側の彼女は眠ってしまったのか、一時間ほど経って返信は途絶えてしまった。
天宮 晴樹
おやすみ
そう送った時には時刻は十二時を過ぎていた。

懐かしい日々の記憶に胸は温かくなり、忘れようとしていた彼女への気持ちは蘇ってくる。

伝える勇気もなくて、諦めかけていたこの気持ちが。


「あ、やべ…」


あなたとのやり取りに夢中になっていた俺は、土曜日も部活があることをすっかり忘れていた。

“バスケやってる人ってちょっとカッコよく見えるよね”

そんな幼馴染の何気ない一言で 俺が中学時代からずっとバスケを続けているなんて、きっと彼女は知らないのだろう。


あなたを好きになった理由など 今はよく分からない。

気づけば俺の心を彼女が占めていて、恋をしている自分がいた。

幼かった頃には無かった感情に最初は少し戸惑うこともあったが、恋をしている時間は幸せなものだった。


彼女が高校に上がり 俺も部活動と勉強に追われる日々が続いてからは、連絡を取ることも少なくなった。
時々あなたの姿は見かけることもあったが、隣を歩く男の姿に 声を掛けることは出来なかった。

中学卒業後。
頭のあまり良くなかった俺が彼女と同じ高校に通えるはずもなく、俺は自分の学力相応の学校へ通い始めた。

身長もかなり伸び、身なりに気を使い始めたからか、女の子に告白されることも少なくなかったのだが、やはり俺の心はあなたのもののままだった。



諦められなかったこの想い。

伝えたい気持ちはあるのに、俺はどうしてもこの関係を壊せないんだ。


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