第33話

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2018/07/20 14:55




「...あなた?」



電話越しの声にはっとし、慌てて「なに?」と返事をする。

変だと思われたに違いない と思いながらも、どこか浮ついた気持ちは隠しきれないもので。



「何かあった?」


「なんで?」


「いや...何か嬉しそうだからさ」



電話越しでも伝わってしまうのは、彼との付き合いが長いからなのか。それとも私がわかりやすいだけなのか。



「何もないよ」


「あなたは分かりやすいからな」


「...ほんと?」


「嘘つくの下手くそだもん」




先生のジャージをそっと抱きしめ、彼の匂いに包まれると 思わず笑みが漏れてしまう。


決していい匂いとは言えないタバコの匂い。

なのにどうして、好きな人の匂いというだけで、こんなにも愛おしくなるのだろうか。

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