〜旭飛side〜
体制を崩したあなたを支えながら俺の方へ引っ張った・・・
のはいいものの、俺までつんのめってしまって・・・
バタッ
あれ・・・今なにか唇に、当たらなかったか・・・?
息が止まった。
少し首を動かせばあなたの唇と俺の唇が触れ合うほど・・・距離が近くて。
つまりさっき当たったのは・・・唇?
えっまさか・・・、、、
mouth to mouth ・・・?
あなたが俺の上から飛び退いた。
あ、上にいたのか・・・。
でも・・・もしかしたら、【キス】してるんだよな・・・。
俺自身は、幼なじみのあなたが好きだった。
いつからかは正直わかんねぇけど。
ただ、この恋は嘘ではないと思う。
だから、俺はキスしてたとしても良いけど・・・
あなたは違うよな。
俺のこと幼なじみとしてしか、見てなさそうだし。
もしも俺のことが嫌いだったらどうなる?
もしもしてたとしたら・・・
事故キスはキスに入るのか?
それなら悪いことしたかもしれないな・・・。、
赤面のあなたが俺を呼ぶ。
聞きたいけど言えねーしな・・・
恥ずかしいにしても顔があかすぎる気がして、俺はあなたの顔をのぞきこんだ。
え・・・もしかして・・・あなたも思ってたり・・・する?
キスしたって。
あなたは何か考えてるのか俺の話を聞いてない。
俺は呪いの言葉のようにあなたにいった。
めっちゃ動揺すんじゃねぇかよ・・・。
なんでそんな顔で見てくるんだよ。
ほんとバカ。
人の気も知らねぇくせに。
早歩きで帰るとあなたも、ついてくる。
高津のことがなかったみたいだな。
あ、高津・・・
忘れてた・・・
ごめん。
でもあんま思ってないな。
あなたと喧嘩したのあいつ原因だし。
↑自分のせいでもある。
明日からは本気であなたに振り向いてもらわないと。
アイツが帰ってきてあなたを取られる前に・・・
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!