駅までの間、朝日との会話は一切なかった。
隣で険しい顔つきの人に声をかける勇気なんてないし。
無言のまま歩き続け、いつの間にか駅に着いた。
丁度来た電車に乗り込むと、中は人口密度がとても高かった。
私は松葉杖で、幅をとってしまう。
なりたくてなった訳では無いけど、周りの人からの視線が痛い。
私が俯いていると、急に話しかけてきた旭飛。
軽い返事をし、そのまままた無言。
旭飛は何度かため息をついていた。
さっき、翼になんかされたのかなって思ってたけど、本当は、私のせいかもしれない。
私といるのが嫌になったとか・・・?
私と帰るのがいや・・・?
彼女が出来て誤解されたくないとか・・・?
考えれば考えるほど頭の中はこんがらがる。
ガタン____
大きな揺れの共に壁に寄りかかっていた私のところに乗っている人たち体重がかかってくる。
私を覆うように立っている旭飛にはもっと体重がかかっているのだろう。
私にあまり体重を掛けないようにしてくれているのか、腕が小刻みに揺れている。
バンッ___
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。