あなたside
泣き腫らした瞳を誰にも見られたくないから、その後の授業はサボることにした。
1人、屋上で風に涼む。
今、自分の乾いた涙に映ってるのってなんなのかな・・・
旭飛?
凛ちゃん?
杏?
それとも他の誰か?
それとも、、、
モノかなにか?
いままでなら、旭飛だった。
1番近くにいたのが旭飛だった。
泣いて見つけてくれたのも、
泣き止むまでそばにいてくれたのも、
全部旭飛だったのに・・・
旭飛の瞳に映るのは凛ちゃんだけ。
凛ちゃんの瞳に映るのも旭飛だけ。
私に入るすきなんて・・・
とっくの昔からなかったんだ。
なにを後悔しようと、、
過去に戻りたいと願っても、、
叶うわけはない。
新しい未来を切り拓くしかないのだから。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!